演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第52回・2014年・横浜
 

高齢末期がん患者におけるオピオイド必要量に関する基礎的検討

演題番号 : O97-5

[筆頭演者]
山本 直子:1 
[共同演者]
櫃田 豊:2、大谷 眞二:3

1:日野病院薬剤管理室、2:日野病院内科、3:鳥取大学医学部病態制御外科

 

【はじめに】高齢者はオピオイドに対する感受性が高く副作用が生じやすいため,若年患者よりもその投与量を低くする必要があると言われている.しかし,高齢の末期がん患者におけるオピオイドの必要量に言及した報告はほとんどない.当院は中山間地に位置し高齢者の比率が高く,末期がんにおいてもその傾向が顕著であり,オピオイドの投与量決定に苦慮することが少なくない.そこで,高齢末期がん患者におけるオピオイドの至適投与量決定の一助とするため,年齢とオピオイド投与量との関連性についての検討を行った.
【方法】当院で2001年から2012年まで経験した末期がん患者223例(38~97歳,平均年齢78.5歳)を対象とし,後ろ向き研究を行った.対象患者をA群(69歳以下,39例),B群(70~79歳,64例),C群(80~89歳,96例),D群(90歳以上,24例)の4群に分けてオピオイドの処方割合を比較した.また,各症例で投与されたオピオイドの最大投与量(モルヒネ換算量)と年齢との相関を求めた.さらにオピオイド投与の有無に関連している因子を多変量解析によって求めた.統計学的検討にはカイ2乗検定,Spearmanの相関係数,多変量解析(2項ロジスティク回帰分析)を用い,5 %をもって有意差とした.調査にあたり個人情報の取り扱いに留意し倫理的配慮を行った.
【結果】A,B,C,Dの各群においてオピオイドが投与されていた症例の割合は,それぞれ71.8 %,64,1 %,57.3 %,37.5 %で高齢者の群になるほど有意に低い値であった.また,オピオイドの最大投与量は年齢と有意な負の相関を示した(r = -0.248,P = 0.008).オピオイドが投与されていることに対して,年齢は性別や原発部位と独立した有意な因子であり(オッズ比:0.954,95 %信頼区間:0.92-0.98,P = 0.003),高齢者ほどオピオイドが投与されていなかった.
【考察】今回の検討では高齢であるほどオピオイドの必要量が少なくなる傾向にあることがわかった.前述した以外に高齢者は疼痛閾値が高いこと,若年者と比較し腎機能が低下していることなどが理由として考えられた.一方で,必要投与量が過小評価され,不必要な苦痛を引き起こさないように注意する必要がある.今後,本研究を進めるために多施設共同研究やメタ解析の実施が望まれる.

キーワード

臓器別:その他

手法別:緩和医療

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