演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第52回・2014年・横浜
 

外来患者の苦痛のスクリーニングを目的とした「生活のしやすさに関する質問票」の運用

演題番号 : O97-3

[筆頭演者]
松本 和美:1 
[共同演者]
モーエン 智子:1、山下 真由:1、上羽 郁子:1、桑原 珠代:1、田上 ひとみ:1、安達 邦子:1、村上 誠子:1、吉田 稔:2

1:日本赤十字社熊本赤十字病院がん診療・連携委員部会、2:日本赤十字社熊本赤十字病院がん診療検討委員会

 

【はじめに】2012年がん対策推進基本計画において「がんと診断された時からの緩和ケアの推進」が取り上げられ、2014年拠点病院の要件として診断時からの「がん患者の身体的苦痛や精神心理的苦痛、社会的苦痛などのスクリーニングシート」の運用が明示された。A病院ではこのスクリーニングシートを「生活のしやすさに関する質問票(KRC版)」(以下『質問票』とする)と称し、2010年度より入院中のがん患者を対象に運用を開始し、緩和回診とリンクさせた。続いて、2012年度から進行再発がんの約6割を担当している血液腫瘍内科外来を中心に『質問票』の運用を開始した。今回、外来通院中の進行・再発がん患者の療養生活・苦痛(トータルペイン)の状況を把握・分析し、がん看護提供内容について検討を行うことを目的に調査を行った。
【方法】(1)2013年1月~12月の期間に外来で『質問票』を運用した1370件のデーターを内容項目ごとに集計した。(2)血液腫瘍内科外来での勤務経験がある看護スタッフを対象にしたフォーカスグループインタビューにて情報を把握した。
【結果】(1) 81%の患者がPS0~1であった。49%の患者が何らかの支援を必要としていた。気になっていることや心配な事では、病状や今後の疾患に対する説明の希望、日常生活への心配、介護が必要になった場合などの相談ニーズが挙がった。50%の患者が身体症状に対する対応を望んでおり、①不眠②倦怠感③痛み④食欲不振⑤眠気 他 の順であった。
(2)フォーカスグループインタビューから、「患者とのコミュニケーションや、多職種とのカンファレンスのツールとして活用」「問題への気づきや焦点化」「質問が患者の生活や療養に関する内容を網羅していることで質の担保に繋がる」「患者擁護役割の実践、意図的積極的な関わりが図れ、短時間でも効果的な外来看護が実践できている満足感」「認定看護師、ジェネラリストの看護師が役割を明確化し、各々の役割を果たし統合されたケアを提供する意識」「チーム医療の実践」等の意見を得た。
【考察と結語】『質問票』の運用は、外来での苦痛のスクリーニングに有用であり、効果的なケアに繫がる事が判明した。現在は、院内全診療科でがんと診断された患者さん・ご家族に『質問票』を用いた苦痛のスクリーニングや、パンフレット等を用いた情報提供など、緩和外来へ繋ぐシステムの一部として運用を検討中である。

キーワード

臓器別:その他

手法別:がん看護

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