演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第52回・2014年・横浜
 

患者の意向を加味した医療選択に向けたアドバンス・ケア・プランニングの勧め

演題番号 : O97-2

[筆頭演者]
有田 健一:1 
[共同演者]
本家 好文:1、平松 恵一:1

1:広島県医師会

 

【背景】医療選択においては患者の意思を尊重することが求められる。しかし患者は自分の願いや考えを明らかにすることには疎く、さらに終末期にはかなりの患者が正確な判断を下せない状態となる。したがって自分の考えを伝えられなくなった時に備えて、事前に希望や思いを家族や医療者との話し合いの中で伝えておくことは大切である。
【方法】広島県地域保健対策協議会(広島県、広島市、広島大学、広島県医師会)でアドバンス・ケア・プランニング(ACP)を啓発し勧めていくための方策を検討した。かかりつけ医の外来診療の場を想定し、患者が将来受けるかもしれない医療について、意思決定能力が低下した時に備えてかかりつけ医と一緒に考えるための手引きとその書式について議論した。ACPは適当な日本語がまだないことから、英語表記と発音のままで使用することにした。
【結果】ACPの手引きではACPの意味や必要性とともに、生活の質の良悪や延命治療について希望や思いを考え、自分の健康について学び、代わりに意思決定してくれる人を選び、医療に対する希望や思いを伝え、それを文書にするという過程を提示した。ACPの過程に沿って質問に答えながら自分の意向を明らかにできるように質問票も作成した。ACPを勧めるためには医師がこれを十分理解し、活用に向けて音頭をとる必要がある。そこでACPの理解と活用の手掛かりとなるように、末期慢性腎不全を例にとり、ACPの手引きを使いながら患者が医師とACPの過程をたどるシナリオを用いてDVDを作成した。ACPを広く啓発するためにチラシやポスターの作成も行った。
【結論】手引きや質問票を使って患者が家族や医師と話し合いを持つことが大切である。作成した各種成果物はがんよろず相談医(広島県独自の研修を受けて認定されたがん検診を勧め、がん相談にのるかかりつけ医)やがん医療連携ネットワークに入っている医師を中心に、地域医師会、がん拠点病院、緩和ケア病棟など緩和医療の現場、訪問看護ステーションなどに配布するとともに、ACPの評価と検討を念頭に置いて広島県内での在宅医療推進拠点事業所でのモデル的活用を行う予定である。患者の意思を医療選択に生かしていくという文化は医師が中心となって新たに創生していかなければならない。

キーワード

臓器別:その他

手法別:地域連携

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