演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第52回・2014年・横浜
 

肝胆膵がんにおける化学療法時の悪心嘔吐観察研究

演題番号 : O73-6

[筆頭演者]
大川 伸一:1 
[共同演者]
馬場 秀夫:2、杉森 一哉:3、古瀬 純司:4、山本 和秀:5、南 博信:6、北川 雄光:7、林 和彦:8、權 雅憲:9、若林 剛:10、相羽 惠介:11

1:地方独立行政法人神奈川県立病院機構神奈川県立がんセンター消化器内科、2:熊本大学医学部外科、3:横浜市立大学附属市民総合医療センター消化器内科、4:杏林大学医学部内科学腫瘍内科、5:岡山大学医学部消化器内科、6:神戸大学医学部腫瘍・血液内科、7:慶應義塾大学医学部一般消化器外科、8:東京女子医科大学医学部化学療法・緩和ケア科、9:関西医科大学外科、10:岩手医科大学医学部外科、11:東京慈恵会医科大学内科学講座腫瘍・血液内科

 

背景・目的:化学療法による悪心嘔吐(chemotherapy-induced nausea and vomiting, CINV)についての観察研究を広く行った報告は無い。そのため、「がん治療とCINV研究会」が乳がん、消化器がん、婦人科がん、肺がん、血液がんを対象にCINVの調査をおこなった。主な内容は高度催吐性(HEC)及び中等度催吐性(MEC)抗悪性腫瘍剤による急性及び遅発性の消化器症状(悪心、嘔吐など)の発現状況、制吐療法の実態、医療者のCINVに対する予測の精度の調査である。その中で、肝胆膵がんに対する化学療法について報告する。方法:全体の研究に21施設が参加。患者に日誌を配布し、抗がん剤投与後7日間のCINVの発現頻度と程度、及び食事摂取量の記録を作成。CINVの急性、遅発性の定義は症状の発現時期が化学療法後24時間以内か以後かに依った。悪心の定義は100mmのVASにて25mm以上を悪心ありとし、嘔吐の定義は7日間で一度でもあれば嘔吐ありとした。また医療者に患者のCINV発生予測(急性、遅発性とも)についてアンケートをおこなった。CINVの発現について多変量解析を行い、統計分析にはSASを使用した。 結果:2011年の4月から2012年の12月まで各がん腫において登録された1925例の解析可能症例のうち、103例の肝胆膵悪性腫瘍を対象とした。患者日誌とアンケート結果は研究事務局に送られた。症例の内訳は胆道がんが70例、肝細胞がんが23例、膵臓がんが10例であった。男性が62例でその年齢の中央値は69歳(37-83歳)、女性が41例でその年齢の中央値は63歳(41-80歳)であった。HECが99例、MECが4例。HECの多くはCDDPであったが、主として胆道がんに用いられ、胆道がんでの投与量は通常、一回に25 mg/m2であった。急性の悪心は6例(5.8%)、遅発性が25例(24.3%)急性の嘔吐が2例(1.9%)、遅発性が6例(5.8%)。全症例での解析にて遅発性悪心の予測因子は乗り物酔いの既往などであり、遅発性嘔吐の予測因子は、つわりの既往であった。医療者は急性・遅発性の悪心嘔吐の発現頻度を過剰に予測していた。結論:CINVはガイドラインに従って対応すればコントロール可能と考えられた。しかし遅発性の悪心は高率に生じるためさらに研究が必要である。

キーワード

臓器別:胆嚢・胆道

手法別:支持療法

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