演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第52回・2014年・横浜
 

胆管癌におけるNK細胞活性化受容体リガンド発現と予後

演題番号 : O72-6

[筆頭演者]
塚越 真梨子:1 
[共同演者]
鈴木 秀樹:1、石井 範洋:1、渡辺 亮:1、久保 憲生:1、新木 健一郎:1、和田 聡:1、柏原 賢治:2、細内 康男:3、桑野 博行:1

1:群馬大学大学院病態総合外科、2:群馬県済生会前橋病院病理診断科、3:群馬県済生会前橋病院外科・腹腔鏡外科センター

 

【目的】NK細胞は初期の感染制御や腫瘍に対する生体防御に重要とされ、活性化受容体と抑制性受容体の2種類で標的細胞を認識し、反応性を制御している。NK細胞活性化受容体のひとつがNKG2Dであり、NK細胞のほか、NKT細胞、γδ+T細胞、CD8+T細胞の一部にも発現している。NKG2Dリガンドは通常時には発現しておらず、感染や腫瘍化などの細胞ストレスやDNAダメージにより発現が誘導され、NKG2Dレセプターを介してNK細胞を活性化する。腫瘍免疫応答においても重要な役割を担う可能性があり、今回の研究では、胆管癌におけるNNKG2Dリガンド発現の臨床的意義を明らかにし、予後との関連を検討した。
【対象と方法】対象は1995年から2011年までに当院および関連病院にて手術を施行した肝外胆管癌切除症例82例。NKG2Dリガンド(ULBP-1, MIC-AB)を用いて免疫組織染色を行い、癌組織におけるNKG2Dリガンド発現量と臨床病理学的因子との関連について検討し、予後に対する解析を行った。
【結果】ULPB-1はほぼ全例の癌部に発現を認め、高発現は42例(51%)で低発現は40例(49%)であった。MIC-ABは高発現が67例(82%)、低発現が15例(18%)であった。臨床病理学的因子は年齢(65歳以上と65歳未満)、性別、腫瘍分化度(高分化・中分化と低分化)、UICC-pT因子(T1・2とT3・4)、リンパ節転移の有無、UICC-Stage(Ⅰ・ⅡとⅢ・Ⅳ)、再発の有無を比較した。ULBP-1低発現群はULBP-1高発現群に比べ、有意に腫瘍低分化であり(p=0.0149)、UICC-Stageが不良であった(p=0.0010)。MIC-AB高発現群とMIC-AB低発現群の間には有意差を認めなかった。全生存率(OS)および無病生存率(DFS)は、ULBP-1高発現群ではULBP-1低発現群に比べ有意に良好であった(p=0.0041, p=0.0065)。またMIC-ABについても高発現群では低発現群に比べOS, DFSが有意に良好であった(p=0.0031, p=0.0029)。
【まとめ】臨床病理学的因子とMIC-AB発現には相関を認めなかったが、ULBP-1発現は腫瘍分化度、UICC-Stageとの有意な相関を認めた。MIC-AB高発現、ULBP-1高発現はそれぞれ有意にOS, DFSが良好であった。
【結語】胆管癌におけるNKG2Dリガンドの発現は、腫瘍の分化度および予後と関連しており、予後予測に有用である可能性があると考えられた。

キーワード

臓器別:胆嚢・胆道

手法別:腫瘍免疫

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