演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第52回・2014年・横浜
 

胆道癌に対する内視鏡手術を軸とした新たな治療アルゴリズム

演題番号 : O72-3

[筆頭演者]
板野 理:1 
[共同演者]
篠田 昌宏:1、北郷 実:1、阿部 雄太:1、日比 泰造:1、大島 剛:2、大平 正典:2、愛甲 聡:2、北川 雄光:1

1:慶應義塾大学医学部外科学教室、2:財団法人ライフ・エクステンション研究所付属永寿総合病院内視鏡手術センター

 

背景:成績向上に集学的治療が必須である胆道癌においては、手術の低侵襲化は重要な意味を持つ。我々は審査内視鏡から始めて手術適応を判定し、閉腹し直ちに他治療へ移行、腹腔鏡(補助)下での根治切除やバイパス術、開腹による切除術を選択する新たな治療アルゴリズムを提唱している。
目的:胆道癌に対する内視鏡手術の成績をレトロスペクティヴに解析し、治療アルゴリズムの妥当性を検証する。
対象:2007年5月から施行された胆道癌に対する腹腔鏡下手術43例(肝門部胆管癌8例、胆嚢癌23例、中下部胆管癌9例、Vater乳頭部癌3例)を対象とした。
結果:審査内視鏡のみで終了した症例はなかった。局所進行のため手術適応外と診断され、小切開にて胆管チューブ入れ替えおよび胃空腸吻合施行2例(肝門部胆管癌1例、胆嚢癌1例)。手術適応を確認後、開腹にて根治術施行4例(肝門部胆管癌1例、中部胆管癌3例)。腹腔鏡下胆道バイパス術2例(Vater乳頭部癌2例)。腹腔鏡下根治切除は35例に施行。補助下PpPD7例(Vater乳頭部癌1例、下部胆管癌6例)では手術時間中央値674分、出血量中央値690ml.術後合併症は胃空腸吻合部狭窄1例、膵空腸縫合不全3例.術後在院日数中央値は20日.現在まで再発(-).肝門部胆管癌6例に対し、拡大右葉切除4例、拡大左葉切除2例を施行。手術時間715分、出血量1316ml.術後合併症は肝不全1例、肝管空腸縫合不全1例。術後在院日数は25日.全例切除断端陰性だが2例で再発(+)。胆嚢癌22例に対し、腹腔鏡下肝床切除術17例(肝外胆管切除再建2例)、肝S4aS5切除3例、拡大左葉切除1例、右葉切除1例。手術時間352分、出血量190ml.術後合併症は胆汁瘻1例。術後在院日数は7.5日.再発3例。
結語:胆道癌に対する鏡視下手術は安全に施行可能であり、短期的な腫瘍学的成績も満足のいくものであった。今後さらなる症例の集積と長期成績の検討が必要であるが、内視鏡手術を軸とした治療アルゴリズムによる負担軽減により、多くの患者が胆道癌集学的治療のなかで利益を得られる可能性がある。

キーワード

臓器別:胆嚢・胆道

手法別:内視鏡手術

前へ戻る