演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第52回・2014年・横浜
 

胆道癌取扱い規約第6版に基づく遠位胆管癌の治療成績と治療方針

演題番号 : O72-1

[筆頭演者]
雨宮 隆介:1 
[共同演者]
北郷 実:1、板野 理:1、篠田 昌宏:1、八木 洋:1、阿部 雄太:1、日比 泰造:1、北川 雄光:1

1:慶應義塾大学病院一般・消化器外科

 

【背景】2013年11月に胆道癌取扱い規約第6版が出版された。この第6版では2009年に改訂されたUICCのTNM分類第7版との整合性が図られた。これによりこれまでの下部胆管癌と中部胆管癌の一部が遠位胆管癌として取り扱われることとなり、進行度分類も見直されることとなった。今回、当科における遠位胆管癌に対する外科治療成績及び胆道癌取扱い規約第6版の妥当性について検討し、今後の治療方針について考察する。
【方法】1972年以降に外科治療された遠位胆管癌85例を対象とした。これら症例の進行度別の生存率を検討し、臨床病理学的な予後不良因子を解析した。
【結果】術式の内訳は胆管切除術8例、膵頭十二指腸切除34例、幽門輪温存膵頭十二指腸切除37例、肝膵同時切除5例、試験開腹術1例。主要血管合併切除は7例で門脈合併切除6例、肝動脈合併切除4例で、根治度はCur Aが48例、Cur Bが20例、Cur Cが17例であった。全症例の5年生存率は46.5%であった。進行度は第5版ではStageⅠ:Ⅱ:Ⅲ:Ⅳa:Ⅳb=6:24:33:17:5、第6版ではStageⅠA:ⅠB:ⅡA:ⅡB:Ⅲ:Ⅳ=5:11:29:35:2:3であった。前者の進行度間の生存率には有意差を認めなかったが、後者には有意差を認めた。単変量解析における有意な予後不良因子(P<0.05)はpPV、pA、pNであり、それぞれの生存期間中央値はpPV8ヶ月、pA7ヶ月、pN19ヶ月であった。
【考察】胆道癌取り扱い規約第6版はTNM分類との整合性が図られた上で、妥当なStagingが成されていると考えられた。今回の解析でpPV、pA、pNが予後不良因子と考えられ、これらの症例に関しては手術単独ではなく集学的治療が必要と思われる。当科では現在、局所進行胆管癌の症例に対して術前補助療法としてはTS-1+CDDP+RTによる第Ⅰ、Ⅱ相試験を、術後補助療法として他施設共同でTS-1によるFeasibility試験を行っている。
【結語】胆道癌取扱い規約第6版は第5版より予後に反映したStagingを示した。今後、遠位胆管癌の治療成績向上のためには補助療法を含めた集学的治療が不可欠と示唆された。

キーワード

臓器別:胆嚢・胆道

手法別:手術療法

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