演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第52回・2014年・横浜
 

早期発見および治療のための、小さな子宮内膜癌の臨床病理学的検討

演題番号 : O60-2

[筆頭演者]
杉山 裕子:1 
[共同演者]
荷見 勝彦:1、宇津木 久仁子:1、馬屋原 健司:1、竹島 信宏:1

1:公益財団法人癌研究会がん研有明病院細胞診断部・婦人科

 

はじめに 子宮内膜癌(以下内膜癌)は婦人科がんの中で多い疾患で、かつ近年増加傾向にある。内膜癌は組織学的に類内膜腺癌とその他の組織型に2分され、85%以上が類内膜腺癌である。従来から、組織発生的には、内膜増殖症(以下増殖症)が類内膜腺癌の前癌病変と考えられ、その発がん過程にエストロゲンの刺激が関与すると考えられていた。しかし、その自然史に関する臨床病理学的検討はほとんどなされていなかった。内膜癌の発がんにいたる過程(組織発生)を検討することは、その予防、早期発見、治療にとって重要なことである。
方法 発がん初期の特徴を検討するため、腫瘍径10mm以下の小さな内膜癌131例を対象とし、腫瘍径11mm以上の内膜癌を対照群として臨床病理学的特徴を後方視的に比較検討した。腫瘍径10mm以下であることは、摘出された子宮の全割標本にて確認した。
結果 小さな内膜癌の臨床病理学的特徴として、
1.対照群と比較して年齢は5才若年であった。
1. 20%が無症状であった。一方対照群では5%が無症状であった。
2. 76%の症例で癌は子宮体上部に発生していた。
3. 肉眼的発育形態は44%が平坦型、56%が隆起型であった。
4. リンパ節転移または卵巣転移を認めたものは1%以下であった。
5. 類内膜腺癌は増殖症が前癌病変と考えられていたが、今回の検討では、46%の症例で増殖症を認めたが、54%には認められなかった。
考察 ほとんどの早期内膜癌が、子宮体上部に発生するため、早期発見のためには体上部の精査が必要である。治療としては、腫瘍径10mm以下の内膜癌は卵巣温存やリンパ節郭清の省略を考慮できると考えられた。組織発生上、類内膜腺癌でも前癌病変である増殖症を経由せず、"de novo"に発生する場合が約半数存在することが示唆された。

キーワード

臓器別:子宮

手法別:病理

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