演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第52回・2014年・横浜
 

子宮体癌術後の定期的経過観察の有用性

演題番号 : O60-1

[筆頭演者]
葭葉 貴弘:1 
[共同演者]
竹井 裕二:1、藤原 寛行:1、町田 静生:1、種市 明代:1、高橋 寿々代:1、野中 宏亮:1、高橋 詳文:1、森澤 宏行:1、吉田 智香子:1、嵯峨 泰:1、鈴木 光明:1

1:自治医科大学医学部産婦人科

 

【目的】子宮体癌術後の定期的経過観察として、内診、腟断端細胞診、経腟超音波検査などが行われている。定期的経過観察が再発の早期発見や予後改善に寄与するかについてのエビデンスは乏しい。そこで、我々は子宮体癌再発患者の再発診断の契機を調査し、術後の定期的経過観察の有用性について検討した。
【方法】1998年~2007年までに当科で治療し完全寛解に至った症例を対象に後方視的に検討した。経過観察は、原則として2年目までは1~3ヶ月毎、5年目までは4~6ヶ月毎、6年目以降は6~12ヶ月毎に、内診、経腟超音波検査、腟断端細胞診を行った。また6~12ヶ月毎に胸腹部CT検査を行った。再発までの期間、再発時の症状の有無、再発診断の契機、再発部位、再発からの全生存期間(overall survival after recurrence: OSAR)、全生存期間(OS)などを調査した。統計分析はコックス回帰モデルを使用した。
【成績】対象298例。年齢中央値56(27-86)歳。類内膜腺癌(EMC)269例、明細胞腺癌8例、癌肉腫8例、その他13例。46例が再発した。再発までの期間の中央値は15(1-103)ヶ月。再発時の症状は、あり14例、なし32例。症状なし32例の再発診断の契機は、画像20例、腟断端細胞診5例、内診2例、腫瘍マーカー5例だった。再発部位は、リンパ節20例、肺11例、腟断端11例、その他5例だった。再発時症状あり群、なし群のOSARは各々16(2-100)、22(2-139)ヶ月、OSは各々48(11-178)、70(6-163)ヶ月で、共に統計学的に有意差はなかった。OSARの独立予後因子は、EMC以外(vs EMC, HR=3.10 [95%CI: 1.29-7.46])と再発までの期間15ヶ月未満(vs 以上, HR=2.38 [95%CI: 1.01-5.61])であり、OSの独立予後因子も、EMC以外(vs EMC, HR=3.26 [95%CI: 1.34-7.93])と再発までの期間15ヶ月未満(vs 以上, HR=3.91 [95%CI: 1.65-9.29])であった。腟断端再発11例中、症状あり4例、なし7例だった。両群のOSAR [各々、9(4-36) vs 67(31-139)ヶ月, p=0.006]とOS[各々、14(6-55) vs 101(53-143)ヶ月, p=0.005]は共に有意差を認めた。
【結論】再発時の症状の有無でOSARとOSに有意差はなく、術後の定期的経過観察は再発患者の予後を改善させない可能性がある。しかし腟断端再発に関しては、症状なし群でOSARもOSも有意に延長していた。この腟断端再発の群を抽出するためには、内診、経腟超音波検査、腟断端細胞診を含めた定期的経過観察が有用であるかもしれない。

キーワード

臓器別:子宮

手法別:診断

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