演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第52回・2014年・横浜
 

回腸導管増設術における尿管導管吻合の術式による腎機能長期成績

演題番号 : O54-7

[筆頭演者]
武藤 智:1 
[共同演者]
清水 史孝:2、梁田 茂人:3、今泉 健太郎:4、豊永 洋一郎:5、杉浦 正一郎:1、北村 香介:1、長尾 慶治:3、藤田 和彦:4、坂本 善郎:5、久末 伸一:2、和久本 芳彰:2、井手 久満:1、山口 雷蔵:1、堀江 重郎:1

1:帝京大学医学部泌尿器科、2:順天堂大学医学部附属順天堂医院泌尿器科、3:順天堂大学医学部附属浦安病院泌尿器科、4:順天堂大学医学部附属静岡病院泌尿器科、5:順天堂大学医学部附属練馬病院泌尿器科

 

【背景および目的】浸潤性膀胱癌に対する膀胱全摘除術において、尿路変更術はその後のQOLに大きく影響する。特に尿管腸管吻合法は、腎機能の低下や腎臓関連合併症の発症と密接に関連する。しかし現状では、各術式間で比較した検討も極めて乏しく、各施設・各術者の好みによってどのような術式を用いるか決められている。今回われわれは、尿管腸管吻合におけるWallace法とNesbit法の比較を後ろ向き研究として行ったので報告する。
【方法】2008年から2013年までに膀胱全摘除術および回腸導管造設術を行った症例を対象とした。全例がWallace変法あるいはNesbit法による尿管-回腸吻合で尿路再建を行っている。腎機能については手術後1、3年の推移をs-Cr、eGFRにて評価した。合併症については術後早期の尿管導管縫合不全、経過中の腎盂腎炎および尿管導管狭窄の発症について評価した。
【結果】膀胱癌患者170名(Wallace法45名、Nesbit法125名)の検討を行った。年齢中央値は69歳(四分位範囲:62.5-74歳)。手術時の出血量中央値1,574ml(四分位範囲:932.25-2575)、手術時間中央値519.5分(四分位範囲:420.25-623.75分)であった。腎機能は術後1年、3年のs-Cr(1年:Nesbit法0.96±0.32 mg/dl、Wallace法0.89±0.36 mg/dl、3年:Nesbit法0.92±0.27 mg/dl、Wallace法0.90±0.29 mg/dl)、eGFR(1年:Nesbit法59.8±20.2 ml/min/m2、Wallace法61.0±21.3 ml/min/m2、3年:Nesbit法64.4±23.8 ml/min/m2、Wallace法69.2±19.8 ml/min/m2)いずれも有意差はないものの、Wallace法の方が良好であった。術後の合併症では術後早期の尿管導管縫合不全がNesbit法3例(2.4%)に認められたがWallace法ではなかった(p=0.294)。経過中の腎盂腎炎はNesbit法7例(5.6%)に対してWallace法1例(2.2%)(p=0.359)、尿管導管狭窄はNesbit法6例(4.8%)に対してWallace法では認めず(p=0.139)、いずれも有意差はないものの、Wallace法の方が頻度は低かった。
【結論】尿管回腸吻合法としてのWallace変法は、Nesbit法と比べて術後腎機能が比較的良好で、尿管導管縫合不全、尿管導管狭窄や腎盂腎炎などの合併症も少ない傾向が認められた。

キーワード

臓器別:腎・尿路・膀胱

手法別:手術療法

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