演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第52回・2014年・横浜
 

浸潤性膀胱癌に対する膀胱全摘術後の再発・死亡率における周術期輸血の影響

演題番号 : O54-6

[筆頭演者]
清水 史孝:1 
[共同演者]
家田 健史:1、武藤 智:2、簗田 茂人:3、豊永 洋一郎:4、今泉 健太郎:5、寺井 一隆:1、荻島 達也:6、久末 伸一:1、長尾 慶治:3、和久本 芳彰:1、藤田 和彦:5、山口 雷蔵:2、坂本 善郎:4、堀江 重郎:1

1:順天堂大学医学部附属順天堂医院泌尿器科、2:帝京大学医学部附属病院泌尿器科、3:順天堂大学医学部附属浦安病院泌尿器科、4:順天堂大学医学部附属練馬病院泌尿器科、5:順天堂大学医学部附属静岡病院泌尿器科、6:医療法人沖縄徳洲会千葉徳洲会病院泌尿器科

 

【緒言】RCC輸血は免疫に関与し、様々な癌種において再発・死亡率に影響を与える可能性が指摘されている。そこで、泌尿器科領域で輸血を施されることが多い膀胱全摘において、輸血と再発・死亡率との関連を検討した。
【対象と方法】2003年1月から2013年12月までに、浸潤性膀胱癌に対して膀胱全摘術をうけ1か月以上経過観察された293名を対象とした。周術期のRCC輸血の有無で2群に層別し、膀胱全摘から再発/膀胱癌死亡/全死亡までの期間をそれぞれログランク検定で比較した。各群のイベント発生を計量的に評価するためにKaplan-Meier曲線を用いて累積イベント発生率を算出した。Cox比例ハザードモデルを用いて予後に影響する因子のイベント発生における相対リスクの評価を行った。
【結果】平均年齢は67.1歳(SD:9.4)で、尿路変向術式の内訳は回腸導管造設術186例、新膀胱造設術66例、尿管皮膚瘻28例、その他13例であった。平均手術時間は546分(SD:154.5)、平均出血量は2085ml(SD:1843.1ml)であった。167例(57.0%)においてRCC輸血が行われ、平均RCC輸血量は705.5ml(SD:1098.0)であった。ログランク検定の結果、RCC輸血は、再発までの期間 (p=0.043)、膀胱癌死亡までの期間(p=0.033)、全死亡までの期間(p=0.035)を有意に短縮させた。2年非再発率は、輸血あり群/なし群でそれぞれ63.2%/70.0%であった。5年疾患特異的生存率は、輸血あり群/なし群でそれぞれ56.0%/71.7%であった。5年全生存率は、輸血あり群/なし群でそれぞれ50.0%/68.1%であった。Cox回帰分析の結果、年齢は再発(p=0.0047)、膀胱癌死亡(p<0.0047)、全死亡(p<0.0001)の相対リスクを有意に上昇させ、pN(-)は再発 (p=0.0001)、膀胱癌死亡(p=0.0022)、全死亡(p=0.0018)の相対リスクを減少させた。RCC輸血は、統計学的に有意ではないが、膀胱癌死亡(p=0.100)、全死亡(p=0.100)の相対リスクを上昇させる可能性が示唆された。
【考察】多変量解析で背景因子を調整後も、RCC輸血による癌死亡・全死亡のリスクを増加させる傾向が認められ、輸血を低減させるさらなる努力が必要と考えられた。近年は、膀胱全摘における腹腔鏡手術の保険収載やロボット支援手術の普及に伴い、当該手術における出血量は低減されていると思われる。しかし、現時点において開腹手術が多く選択されているのが現状である。RCC輸血以外のFFP、アルブミン製剤輸血などの影響についても、検討を加える予定である。

キーワード

臓器別:腎・尿路・膀胱

手法別:手術療法

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