演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第52回・2014年・横浜
 

上部尿路腫瘍に対する経尿道的内視鏡治療:制癌性に関する検討

演題番号 : O54-1

[筆頭演者]
麦谷 荘一:1 
[共同演者]
佐藤 滋則:1、鶴 信雄:1

1:すずかけセントラル病院腎・泌尿器内視鏡治療センター

 

【はじめに】
上部尿路腫瘍(UTUC)に対する標準的治療は腎尿管全摘除術であるが、近年のEndourologyの発達により経尿道的内視鏡手術の適応が拡大し、low grade筋層非浸潤性癌では尿管鏡手術による腎温存手術が欧米の診療ガイドラインでは提示されている。我々はこれまでにUTUCに対する本治療成績について報告してきた。今回、長期観察生存例を中心に最近の治療成績とその制癌性、問題点について検証した。
【対象と方法】
尿管鏡下腫瘍生検にて尿路上皮癌(low grade、cTa-1N0M0)と診断されたUTUC症例のうち、本治療を選択した患者に対して尿管鏡下にレーザー (Ho: YAG and/or Nd: YAG) 治療を施行した。初回治療後1ヶ月目にSecond-look ureteroscopyを施行した。本治療の適応は当初単発(unifocal)、小腫瘍(2cm以下)としていたが、手術手技の確立に伴い適応を拡大して、最近では多発、2cm以上のlow grade腫瘍にも施行している。術後follow upとして尿細胞診検査あるいは画像診断にて再発が疑われない限り、原則として6ヶ月毎に尿管鏡検査を施行した。
【結果】
16例に対して本治療と術後尿管鏡Surveillanceを施行した。平均年齢72歳(51-87)で、13例はimperative case(単腎8例、合併症5例)であった。術後尿管鏡検査は1例平均5回(1-19)施行した。上部尿路腫瘍の再発は9例(56%)に認められ(再発回数計26回)、初回再発時期の中央値は8ヶ月(2-14)であった。再発腫瘍(low grade)は、尿管鏡検査時に同時にレーザー切除した。長期観察例(156ヶ月)は69歳・男性で、上部尿管癌(腫瘍径1.5cm)に対して本治療を施行した。術後計19回の尿管鏡検査を施行した結果、4回再発(pTa、low grade、腫瘍径1-2mm)を認めたが、尿管鏡下レーザー切除した。最終再発から10年を経過したが、再発・転移を認めていない(NED)。全体では観察期間中央値25ヶ月(1-156)で、2例に他因死を認めたが、14例は癌無し生存している。1例のみ多発・high grade腫瘍の再発(grade up)を認めたため、腎尿管全摘除術を施行した。
【結語】
UTUCに対する内視鏡手術は、症例を選べば低侵襲で有用であり、長期生存と腎温存が可能である。しかしながら上部尿路の再発率が高いため、Surveillanceには定期的な尿管鏡検査が必須である。本治療は適応症例を十分に検討して施行すべきであり、high grade腫瘍や再発腫瘍のgrade upを認めた場合は本治療の適応外と考える。

キーワード

臓器別:腎・尿路・膀胱

手法別:内視鏡手術

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