演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第52回・2014年・横浜
 

Eicosapentaenoic acid (EPA)とDocosahexaenoic acid(DHA)の抗腫瘍効果

演題番号 : O53-3

[筆頭演者]
山田 岳史:1 
[共同演者]
菅 隼人:1、松本 智司:2、小泉 岐博:1、進士 誠一:1、松田 明久:2、内田 英二:1

1:日本医科大学消化器外科、2:日本医科大学千葉北総病院外科

 

【背景】Eicosapentaenoic acid (EPA)とDocosahexaenoic acid(DHA)はともに不飽和脂肪酸であり炎症反応を抑制する。進行癌患者では癌による持続的な炎症が誘発され、体蛋白の異化が亢進する。我々は化学療法中あるいは終末期の癌患者にEPAを服用させることによりCRPが低下することを報告してきた。すなわちEPAは癌による慢性炎症を制御し、癌悪液質等を抑制し癌支持治療に応用できる可能性がある。さらに、EPAとDHAが抗腫瘍効果を持つ可能性があることが報告された。
【目的】EPAおよびDHAの持つ抗腫瘍効果を検討する。
【方法】抗癌剤感受性試験CD-DSTを行い、〔1-(治療群の生細胞数/コントロール群の生細胞数)〕×100を細胞障害率(Inhibition Rate; IR)として抗腫瘍効果の指標とした。予備実験としてHCT-116を用いEPA、DHAを15,50.150,500μM 24時間接触させたところ、50μM以下ではほとんど抗腫瘍効果を示さなかったが500μMではほとんどの細胞が死滅したためEPA、DHAの接触濃度は150μMとした。5FUを1μg/mlで24時間接触させEPA、DHAの効果の対照とした。(1)大腸癌手術切除標本(15例)を用い、EPA、DHA を150μMで24時間接触させた。(2)EPA、DHAそれぞれ150μMとSN-38(CPT-11の活性代謝物)を30ng/mlを併用し、相乗効果を検討した。
【結果】(1)EPA150μM のIRは42%、DHAのIRは72%と抗腫瘍効果を認めた(5FUのIRは53%)。(2)EPA+SN-38、DHA+SN-38はともに単剤より高いIRを示した。
【考察】我々は本研究でEPAおよびDHAが抗腫瘍効果を持つことを臨床検体を用いて示した。これまでに大腸癌cell lineを用いてEPAやDHAが抗腫瘍効果を示すことが報告されているが、臨床検体を用いての報告はない。市販のEPA含有機能性食品を1日2パック(1パックは240ml、EPAを1056mg含有)服用することにより血中EPA濃度が500μM以上になることが報告されており、本研究での接触条件は臨床上十分に達成可能な濃度である。

キーワード

臓器別:大腸・小腸

手法別:化学療法

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