演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第52回・2014年・横浜
 

大腸癌1次治療cetuximab+irinotecan+S-1第Ⅱ相試験:原発部位/ETS/DpR/RAS遺伝子解析

演題番号 : O50-3

[筆頭演者]
舛石 俊樹:1,3 
[共同演者]
酒井 義法:1、松井 徹:1、中村 倫太郎:1、安斎 翔:1、鈴木 雄一朗:1、小堀 郁博:1、深見 裕一:1、鈴木 康平:1、江頭 徹哉:1、草野 史彦:1、鈴木 恵子:2、田沢 潤一:1

1:土浦協同病院消化器内科、2:土浦協同病院病理部、3:愛知県がんセンター中央病院薬物療法部

 

【背景】我々は、KRAS野生型切除不能大腸癌1次治療としてのcetuximab+irinotecan+S-1の第Ⅱ相試験を行い、有効性を報告した(ESMO2013)。1次治療のcetuximab併用化学療法の効果予測因子として、治療開始8週時点の腫瘍縮小率(early tumor shrinkage:ETS)、最大腫瘍縮小率(deepness of response:DpR)、ざ瘡様皮疹の程度、3次治療のcetuximab単剤では原発部位(左/右側結腸)が報告されている。また、KRAS exon2野生型であってもKRAS exon3/4やNRASが変異型の症例は抗EGFR抗体の上乗せ効果がないことが報告されている。
【方法】KRAS野生型切除不能大腸癌1次治療として、S-1(day1-14:80mg/m2)+irinotecan(day1, 15:100mg/m2)(28日毎)にcetuximab(初回400mg/m2、その後毎週250mg/m2)を併用した。主要評価項目は奏効率(RR)、副次評価項目は無増悪生存期間(PFS)、全生存期間、腫瘍縮小率、安全性とした。目標症例数は、閾値/期待RR:37/60%、α=0.05、β=0.2より30例とした。今回、ETS、DpR、原発部位、ざ瘡様皮疹において、Cox比例ハザードモデルによりPFSのハザード比(HR)を推定した。また、適格例の97%(29例)に対し、RAS遺伝子検査(Luminex法)を施行中であり、変異の有無別でRR(Fisher's exact test)とPFSを解析する。
【結果】RRは70%(95%信頼区間[CI]:52.1-83.3%)であった。観察期間中央値19.7か月(m)における、PFS中央値(mPFS)は11.3m(95%CI:6.8-14.7m)であった。mPFSにおいて、ETS≧20%/<20%では11.6/7.7m(HR:0.47、95%CI:0.18-1.45、p=0.17)、DpR≧中央値(45.4%)/<中央値では15/7.7m(HR:0.28、95%CI:0.11-0.67、p=0.0039)、原発部位直腸/左側結腸/右側結腸では18.5/14.7/5.0m(直腸/右側結腸のHR:0.10、95%CI:0.02-0.32、p=0.0001、左側/右側結腸のHR:0.16、95%CI:0.05-0.47、p=0.0009)、ざ瘡様皮疹Grade0-1/Grade2-3では11.3/10.7m(HR:0.83、95%CI:0.37-2.05、p=0.68)であった。なお、各解析の群間で患者背景に有意差を認めなかった。年齢(≧70/<70歳)、PS(0/1)、初発/再発、転移臓器(≧2/1個)の解析ではmPFSで有意差を認めず、それらを含めて多変量解析を行うと、ETS(HR=0.08)、DpR(HR=0.17)、原発部位(直腸/右側結腸:HR=0.03、左側/右側結腸:HR=0.08)で有意差を認めた。
【結語】cetuximab+irinotecan+S-1併用療法において、ETS≧20%、高い腫瘍縮小率、直腸/左側結腸原発がPFS延長の有意な予測因子であると考えられた。発表時、RAS遺伝子解析の結果も報告する。

キーワード

臓器別:大腸・小腸

手法別:臨床試験

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