演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第52回・2014年・横浜
 

膀胱癌患者における血清Smac/DIABLO値のバイオマーカーとしての臨床的意義

演題番号 : O49-3

[筆頭演者]
水谷 陽一:1 
[共同演者]
新牛込 史成:1、勝岡 洋治:2

1:藍野大学臨床工学科、2:ポートアイランド病院泌尿器科

 

【目的】Second mitochondria-derived activator of caspase/direct inhibitor of apoptosis protein ( IAP )-binding protein with low pl ( Smac/DIABLO )は、アポトーシスのシグナルが細胞内に入るとミトコンドリアから放出され、アポトーシスを阻害するIAP familyと結合し、その作用をブロックすることによりアポトーシスを誘導する蛋白である。種々の正常組織や癌組織におけるSmac/DIABLO発現の報告は散見されるが、ヒト血清中のSmac/DIABLO値に関しては、ほとんど検討されていないのが現状である。そこで今回、血清中のSmac/DIABLO値を測定できるのかどうかをまず検討した。さらに、膀胱癌患者を対象に血清Smac/DIABLO値を測定し、stage、grade、予後との相関関係を検討した。
【対象と方法】36人の正常人と、手術前の173例の膀胱癌患者から血清を採取し、-80oCで凍結保存した。筋層非浸潤膀胱癌症例は142例、筋層浸潤膀胱癌症例は31例であった。また、grade別ではG1が51例、G2が63例、G3が59例であった。血清Smac/DIABLO値はEnzyme-linked immunosorbent assay ( ELISA )にて測定した。
【結果】ELISAにて血清中のSmac/DIABLO値の測定は可能であった。膀胱癌患者の血清Smac/DIABLO値は正常人の血清Smac/DIABLO値に比べ、約50%低値であった。筋層浸潤膀胱癌患者の血清Smac/DIABLO値は、筋層非浸潤膀胱癌患者の血清Smac/DIABLO値より低値であった。さらに、T4筋層浸潤膀胱癌患者の血清Smac/DIABLO値は、T2-T3筋層浸潤膀胱癌患者の血清Smac/DIABLO値より低値であった。また、Grade 3膀胱癌患者の血清Smac/DIABLO値は、Grade 1-2膀胱癌患者の血清Smac/DIABLO値より低値であった。血清Smac/DIABLO値の高い筋層非浸潤膀胱癌患者は血清Smac/DIABLO値の低い筋層非浸潤膀胱癌患者よりも経尿道的膀胱腫瘍切除術後の3年無再発率は有意に高値であった。また、血清Smac/DIABLO値が高い筋層浸潤膀胱癌患者は血清Smac/DIABLO値が低い筋層浸潤膀胱癌患者よりも膀胱全摘除術後の5年生存率は有意に高値であった。
【結語】ヒト血清中のSmac/DIABLO値がELISAにて測定が可能であることが判明した。血清Smac/DIABLO値は正常人より膀胱癌患者において低く、特にgradeの高い筋層浸潤膀胱癌患者において低値であった。また、血清Smac/DIABLO値は膀胱癌における予後マーカーになる可能性が示唆された。

キーワード

臓器別:腎・尿路・膀胱

手法別:バイオマーカー

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