演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第52回・2014年・横浜
 

膀胱癌に対する5-アミノレブリン酸塩酸塩(ALA)を用いた軟性蛍光膀胱鏡の有用性の検討

演題番号 : O49-2

[筆頭演者]
福原 秀雄:1 
[共同演者]
井上 啓史:1、深田 聡:1、辛島 尚:1、鎌田 雅行:1、倉林 睦:2、降幡 睦夫:2、執印 太郎:1

1:高知大学医学部泌尿器科学教室、2:高知大学医学部病理学教室

 

Introduction
これまで我々は硬性蛍光膀胱鏡を用いた膀胱癌に対する5-アミノレブリン酸塩酸塩(ALA)を用いた光力学診断(PDD)の有用性について報告してきた。しかし膀胱頸部・三角部のPDD観察は、硬性鏡では接線方向による蛍光強度の増強する接線効果を認め、偽陽性所見による診断精度の低下を招いてきた。軟性蛍光膀胱鏡は、カメラの折り返しにより膀胱頸部・三角部を垂直方向からPDD観察できる。今回はこの軟性蛍光膀胱鏡を用いて、従来の硬性蛍光膀胱鏡による診断精度との比較検討を行った。
 
Material & Methods
 膀胱癌症例(疑いを含む)46症例(男性33例、女性13例、年齢中央値72.5歳(49-87歳))を対象として蛍光膀胱鏡を用いたALA-PDDを施行した。そのうち23症例で軟性蛍光膀胱鏡を施行し、残り23症例で硬性蛍光膀胱鏡を使用した。
光感受性物質として、術90分前に5-アミノレブリン酸塩酸塩ALA1g / 5%ブドウ糖液50ml溶解液を内服投与した。光線力学診断装置は、PENTAX Japan(HOYA) 株式会社製の専用ビデオカメラシステム(SAFE-3000 system)および軟性スコープ (EB-1970AK)を用いた。術中に、青色光にて赤色励起を認めた部位及び従来の白色光にて異常所見を認めた部位をPDD下に組織採取した。軟性蛍光膀胱鏡使用群では、膀胱遠位部は主に軟性鏡を用い、その他の部位は硬性鏡を用いて蛍光観察および生検を行った。本診断の精度は、蛍光励起の強度とその部位の病理組織診断を対応させROC曲線下面積 (Area Under Curve (AUC))を算出し、その対比により軟性蛍光膀胱鏡と硬性蛍光膀胱鏡の診断精度の比較検討を行った。
 
Result
全体の診断精度において軟性蛍光膀胱鏡の感度94.7%、特異度80.3%、偽陽性率19.7%で膀胱遠位部のそれは100%、95.5%、4.5%であった。これに対して硬性蛍光膀胱鏡の感度87.1%、特異度64.9%、偽陽性率35.1%で膀胱遠位部のそれは93.3%、53.3%、46.7%であった。このように軟性蛍光膀胱鏡は硬性蛍光膀胱鏡に比べて、特異度(偽陽性率)を15.4%改善させた。
さらに全体のAUCにおいて軟性蛍光膀胱鏡(AUC; 0.886)は硬性蛍光膀胱鏡(AUC; 0.813)に比べて有意に上回った(p<0.05)。膀胱遠位部のAUCにおいても同様に軟性蛍光膀胱鏡(AUC; 0.864)は硬性蛍光膀胱鏡(AUC; 0.789)に比べて有意に上回った(p<0.05)
 
Conclusion
軟性蛍光膀胱鏡は、硬性蛍光膀胱鏡に比べ膀胱遠位部の偽陽性所見を減少させ、有意に全体の診断精度を改善させた。

キーワード

臓器別:腎・尿路・膀胱

手法別:内視鏡手術

前へ戻る