演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第52回・2014年・横浜
 

確定診断が困難であった胃癌腹膜播種の一例

演題番号 : O44-6

[筆頭演者]
塚越 律子:2,3 
[共同演者]
郡 隆之:2、関原 正夫:2、安藤 哲:2、大野 順弘:4、田村 芳美:5、大木 一成:5、桑野 博行:1

1:群馬大学大学院医学系研究科群馬大学総合病態外科、2:利根保健生活協同組合利根中央病院外科、3:多野藤岡医療事務市町村組合公立藤岡総合病院外科、4:利根保健生活協同組合利根中央病院病理科、5:利根保健生活協同組合利根中央病院泌尿器科

 

【症例】39歳、男性。【現病歴】半月前より左側腹部痛、左陰嚢腫大・疼痛、臍部からの排膿を自覚し、当院受診。左陰嚢は手拳大であり圧痛を認めた。臍部からは少量の排膿が認められた。CTでは下行結腸癌もしくは精巣原発悪性腫瘍による癌性腹膜炎の診断となり、精査・加療目的に入院となった。【入院後経過】下部消化管内視鏡検査では、脾弯近傍の下行結腸で発赤・狭窄はあるが明らかな腫瘍は認めなかった。生検ではGroup5 ではあったが正常な大腸粘膜に壁外からの悪性腫瘍の浸潤所見であり、組織型はChoriocarcinomaが疑われた。精巣原発悪性腫瘍が疑われたため、泌尿器科転科し高位除睾術施行。病理の結果、精巣実質には悪性細胞は認められず、精巣固有漿膜に腫瘍が認められた。精巣原発悪性腫瘍は否定的であり、多臓器からの転移が疑われた。精査の途中で、癌性腹膜炎による腸閉塞をきたしたため緊急手術を施行。腹腔内は腹水が多量で上行結腸から直腸まで腹膜播種により硬化しており、腸間膜および大網に多数の播種結節を認めた。人工肛門は大腸では作ることができず、小腸で人工肛門造設を行った。播種結節の病理ではAdenocarcinomaが疑われた。上部消化管内視鏡検査にて体中部にBorrmann 5型の全周性狭窄を認めた。生検の結果、Signet ring cell carcinomaの診断となった。確定診断より6日後からS-1+CDDPを開始した。2コースまで施行したが、全身状態が悪化し、確定診断から77日目に永眠された。【考察】本症例の主訴は左陰嚢腫大であることから、精巣腫瘍が疑われた。しかし結果的には胃癌の腹膜播種および精巣固有漿膜転移であった。腹膜播種が高度でありその播種が精巣固有漿膜まで広がったものと考えられた。精巣固有漿膜転移は数例の報告がみられるのみであり、稀なものと考えられる。報告例は消化器癌がほとんどであり、精巣固有漿膜転移を認めた原発不明の症例に対して消化器系の検索が必要と考えられた。

キーワード

臓器別:胃・十二指腸

手法別:診断

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