演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第52回・2014年・横浜
 

胃癌術後に孤立性骨格筋転移をきたした1例

演題番号 : O44-5

[筆頭演者]
白岩 祥子:1,2 
[共同演者]
北里 雄平:2、塩田 浩二:2、清松 和光:2、山﨑 文朗:2

1:久留米大学病院外科、2:佐賀社会保険病院

 

症例は68歳、男性。63歳時、2型進行胃癌に対して胃全摘術(D2)を施行。病理診断は、低分化腺癌でSE, INF b , ly1, v1, N0(0/16), PM0, DM0, StageⅡBであった。術後補助化学療法としてTS-1(120mg/day)を投与し、8コース(2投1休)で終了、その後再発なく術後3年を経過した。術後3年10か月を過ぎた頃、右股関節から膝にかけての疼痛および右股関節部の皮下腫瘤を主訴に近医を受診。精査加療目的に当院整形外科を紹介された。右大腿直筋近位部に7×5cmの硬い腫瘤を触知し、MRIにて大腿直筋内から大腿動静脈、神経周囲に周囲との境界が不明瞭な腫瘤を認め、浸潤性発育を示す悪性腫瘍が疑われた。生検にて低分化腺癌を認め、胃癌の骨格筋(大腿直筋)転移と診断した。他臓器には転移を認めず、病変は比較的限局しており、切除可能と考えられたこと、さらに右大腿前面から膝にかけての疼痛が強く、患者が強く手術を希望した等の理由で腫瘍切除術を施行した。術後は右大腿部の疼痛は改善し、QOLの改善には切除術は有用であったと思われる。病理診断によると腫瘍は低分化腺癌で、63歳時に切除した胃癌の組織像とほぼ一致しており、胃癌の転移と診断された。また、HER2陽性胃癌であった。化学療法として、CDDP+TS-1療法を開始するも、著名な血小板減少と食欲不振を認め、1コースで中止。現在はweekly PTX+Trastuzumabを開始し、外来通院治療中である。
胃癌は本邦において頻度の高い悪性腫瘍であるが、胃癌の骨格筋への転移は稀である。骨格筋転移の多くは全身血行性転移の一部であり、終末期の状態と考えられ、他臓器に転移を伴わない孤立性の骨格筋転移は極めて稀である。その治療法については、症例報告数が少ないため、未だ確立されていない。
今回、我々は胃癌に対する初回術後3年10か月後に診断された、孤立性の骨格筋転移を経験したので、文献的考察を加えて報告する。

キーワード

臓器別:胃・十二指腸

手法別:診断

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