演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第52回・2014年・横浜
 

PTX腹腔内投与併用化学療法後の腹腔洗浄細胞診判定に苦慮した一例

演題番号 : O44-4

[筆頭演者]
勝見 ちひろ:1 
[共同演者]
會澤 雅樹:1、松木 淳:1、丸山 聡:1、野村 達也:1、中川 悟:1、薮崎 裕:1、瀧井 康公:1、土屋 嘉昭:1、梨本 篤:1、川崎 隆:2

1:新潟県立がんセンター新潟病院外科、2:新潟県立がんセンター新潟病院病理

 

【はじめに】PTX腹腔内投与併用化学療法では腹膜転移の消失や腹腔洗浄細胞診の陰性化によりR0切除可能な症例が散見され,新たな治療戦略として期待されている。今回われわれは腹膜播種を伴うType 4胃癌に対しPTX腹腔内投与併用化学療法を施行し,化療後の腹腔洗浄細胞診の判定に苦慮した一例を経験したので報告する。【症例】53歳,女性。2013年2月より体重減少が出現し,6月に腹痛,胸焼けを伴うようになり当院を受診。上部消化管内視鏡及び上部消化管造影で潰瘍形成を伴う大型のType 4胃癌と診断した。腫瘍マーカーはCA125の軽度上昇を認めた。腹部骨盤造影CTでは胃全体と十二指腸球部の壁肥厚を認め,胃壁と膵実質の境界が不明瞭であり,小彎リンパ節腫大,大網内CT値の上昇,Douglas窩の腹水を伴っていた。7月に審査腹腔鏡を施行したところP1CY1で,非切除胃癌であり,臨床試験に登録の上で腹腔内ポートを挿入した。同月より2014年1月までPTX腹腔内投与併用化学療法を計7コース施行。有害事象としてCTCAE grade 3の口内炎、好中球減少を認めたが休薬にて回復を得た。化学療法後の画像評価では胃壁の肥厚の改善,潰瘍の縮小,リンパ節の縮小,大網CT値の正常化,腹水の消失を認めた。腹腔ポートを介した腹腔洗浄細胞診では異型細胞が存在したが数個のみであり,免疫染色を加味した上でClass IVと診断した。非切除因子であった腹膜転移所見が消失したため,2014年1月に手術を施行。開腹所見で腹膜播種は認めず,胃病変と膵前面の剥離は可能で,横行結腸に転移性腫瘤を認めたが切除可能であり,胃全摘,右結腸切除を施行した。迅速腹腔洗浄細胞診では少数だが異型細胞を認め CY1と診断したものの,免疫染色とRT-PCRによる評価を加え,術後にClass IV(CY0)と訂正した。病理組織診断はType 4, 16×14cm, PM0, DM0, ypT3N3aH0P0CY0M1 Stage IV(結腸)で,R0切除であった。【考察】腹腔内投与併用化学療法では腹腔内遊離癌細胞の形態や数が変化する。本症例では通常の細胞診の判定に苦慮し,免疫染色とRT-PCRを併用した。腹膜転移陽性胃癌に対するPTX腹腔内投与併用化学療法ではR0切除の施行が一つの目標であり,今後は細胞診判定法の確立が必須である。

キーワード

臓器別:胃・十二指腸

手法別:診断

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