演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第52回・2014年・横浜
 

子宮がん検診無料クーポンが子宮がん検診受診率に与えた影響

演題番号 : O4-3

[筆頭演者]
上田 豊:1 
[共同演者]
祖父江 友孝:2、森本 晶子:1、高田 友美:1、松崎 慎哉:1、小林 栄仁:1、木村 敏啓:1、吉野 潔:1、藤田 征巳:1、木村 正:1

1:大阪大学大学院医学系研究科産科学婦人科学、2:大阪大学大学院医学系研究科環境医学

 

目的
平成21年度から子宮がん検診受診率向上を目指して無料クーポン事業が開始されたが、当研究は無料クーポンが検診受診率に与えた影響を評価することを目的とした。

方法
豊中市において、無料クーポン事業が始める前年の平成20年度と無料クーポン事業が実施された平成21~24年度における子宮がん検診受診率を年齢別に解析した。また無料クーポンによる子宮がん検診受診者と通常の住民検診としての子宮がん検診受診者の、それ以前の子宮がん検診受診歴およびそれ以降の子宮がん検診受診状況を解析した。

結果
平成21~24年度の全期間を通じた子宮がん検診受診率は、無料クーポン対象年齢の20歳・25歳・30歳・35歳・40歳でそれぞれ平成20年度の7.1倍(95% CI:5.9-8.6)・6.4倍(95% CI:5.7-7.1)・3.1倍(95% CI:2.9-3.3)・3.3倍(95% CI:3.1-3.5)・3.0倍(95% CI:2.8-3.2)に有意に上昇した。
無料クーポン対象年齢でない21歳~24歳および26歳~29歳においても受診率は平成20年度の2.2倍(95% CI:1.8-2.6)および1.9倍(95% CI:1.7-2.2)に有意に上昇した。平成24年度の21歳~24歳および26歳~29歳の受診者において、無料クーポンによる受診歴があったのは14%のみで、66%は過去に検診受診歴がなかった。
一方、平成21年度の20歳・25歳の無料クーポン受診者のうち、その後2年以内に検診を受診したのは6.5%・13%であった。これは、同年における通常の住民検診における21歳・26歳の検診受診者のその後2年間における検診受診率33%・30%に比し有意に低い率であった(p<0.001)。
次に、20歳・25歳の無料クーポン受診者無料クーポン受診者のその後2年以内の検診受診率に影響を与える因子として無料クーポンによる検診の受診施設を調べたところ、あるクリニックで無料クーポンによる検診を受けた20歳・25歳のその後2年以内の検診受診率は他のクリニックで検診を受けた者に比べて有意に高かった(p<0.001)。

結論:
子宮がん検診無料クーポンは対象年齢の受診率を有意に上昇させた。20歳代においては対象年齢でない21歳~24歳および26歳~29歳においても受診率が上昇したが、これは20歳・25歳での無料クーポン受診者の継続受診によってもたらされたのではなく、子宮がん検診の認識が広まったことによる初めての検診受診者の増加による可能性が示唆された。一方、無料クーポンはその後の継続受診には結びついていなかったが、この継続受診率は初回の検診受診施設にもよることが明らかになった。

キーワード

臓器別:子宮

手法別:疫学・予防

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