演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第52回・2014年・横浜
 

膵臓癌切除患者におけるSarcopeniaの存在とその意義に関する検討

演題番号 : O32-4

[筆頭演者]
高木 弘誠:1 
[共同演者]
吉田 龍一:1、熊野 健二郎:1、杭瀬 崇:1、内海 方嗣:1、信岡 大輔:1、楳田 祐三:1、篠浦 先:1、貞森 裕:1、八木 孝仁:1、藤原 俊義:1

1:岡山大学大学院医歯薬学総合研究科消化器外科学

 

【背景】近年,全身の脆弱性の客観的身体指標としての筋量低下(Sarcopenia)が注目されており,悪性腫瘍切除後の有用な予後規定因子としての可能性が論じられているがその詳細は明らかではない.
【目的】膵臓癌切除患者における①Sarcopeniaと各種因子との関係を明らかにするとともに,②予後規定因子としてのSarcopeniaの有用性について検証すること.
【対象と方法】2007年1月から2012年12月に当科で施行した膵臓癌切除患者のうち,術前CTの解析が可能であった110名を対象とした.Sarcopeniaに関しては画像解析システムSYNAPSE VINCENTを用いて第3腰椎レベルの筋面積を測定,筋量低下を認める群をSarcopenia群とし,後方視的に以下のデータを収集した.「術前身体因子」年齢・性別・BMI・ASA phisical status・併存疾患・血液検査所見,「周術期因子」術式・手術時間・出血量・術後合併症,「病理因子」腫瘍径・分化度・リンパ管侵襲・静脈侵襲・門脈浸潤・膵外神経叢・リンパ節転移とした.①Sarcopenia 群/ 非Sarcopenia群の2群に分け,術前身体因子・周術期因子・病理因子をそれぞれ比較検討し,②Sarcopeniaを含む各種因子とOverall survivalの関連についてCox比例ハザードモデルを用いて単変量/多変量解析を施行した.
【結果】対象患者は,平均年齢67.8±10.6歳,男性71名(64.6%),女性39名(35.4%),施行術式は膵頭十二指腸切除78例,膵体尾部切除32例であった.①Sarcopenia群/非Sarcopenia群は28名(25.5%)/82名(74.5%)であり,両群間の術前身体因子,周術期因子,病理因子の比較では,男女比・年齢のみ有意差を認め、病理因子をはじめとしたその他の因子に有意差は認めなかった.②単変量/多変量解析の結果,膵臓癌切除後患者のOverall survivalにおいて,Sarcopeniaあり(HR=2.77, 95%CI=1.47~4.95; P=0.0018),低分化癌(HR=3.13, 95%CI=1.32~6.62; P=0.0116),リンパ節転移あり(HR=2.37, 95%CI=1.34~4.27; P=0.0029)が有意な独立予後規定因子であった.
【結語】膵臓癌切除患者においてSarcopeniaの存在は,既知の腫瘍因子とは独立した新たな予後規定因子となり得る可能性が示唆された.

キーワード

臓器別:膵臓

手法別:疫学・予防

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