演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第52回・2014年・横浜
 

膵退形成癌の臨床病理学的特徴とEMT関連マーカーの発現

演題番号 : O32-3

[筆頭演者]
木村 健二郎:1 
[共同演者]
三浦 光太郎:1、天野 良亮:1、山添 定明:1、西尾 康平:1、渋谷 雅常:1、櫻井 克宣:1、豊川 貴弘:1、久保 尚士:1、田中 浩明:1、六車 一哉:1、大谷 博:1、前田 清:1、大平 雅一:1、平川 弘聖:1

1:大阪市立大学大学院腫瘍外科

 

背景)膵退形成癌(AP)は非常に稀な浸潤性膵管癌の亜型である。分化度が低く予後が非常に悪い報告が多いが、その詳細な特徴は明らかではない。今回、当科で経験した膵退形成癌の臨床病理学特徴とEMT関連のマーカーの発現について検討を行った。方法)当科で切除を行ったAP 7例の臨床病理学的特徴を検討した。病理組織の存在する6例のAPと、高分化型管状腺癌(wel),中分化型管状腺癌(mod), 低分化型管状腺癌(por)それぞれ7例のE-cadherin, β-catenin, vimentinの発現を免疫組織染色にて確認した。強度を0~3に分類し染色域(%)との積をHistology score(H-score)として各分化度別に比較検討を行った。結果)男性5例,女性2例で、平均年齢57.6歳(38-63)、頭部1例,体尾部6例であった。平均腫瘍径8.4㎝で2例に胃浸潤、2例に横行結腸浸潤を認めた。リンパ節転移陽性例は3例であった。JPS-Stageは、Ⅲ1例、Ⅳa1例、Ⅳb5例であった。生存期間中央値は4.1か月であったが5年生存率は28.6%で2例に5年以上の生存がえられた。免疫組織学的検討では、APのE-cadherinの発現は6例中3例(3/6)のみに陽性でH-scoreは24.2±9.89であり、wel,mod,porの130±23.0、81.4±20.1、50.0±11.5に比較して有意に低い結果であった。β-cateninの発現は、APで3/6例、wel,mod,porで7/7,6/7,6/7例陽性であり、APでの発現例が少ない傾向にあった。H-scoreもAP:wel:mod:porで11.7±5.43: 114±27.3: 113±16.4: 86.4±21.3であり、APのH-scoreは分化型癌に比べ有意に低い結果であった。一方、vimentinの発現は、APで6/6例の発現を認め、wel,mod,porでは1/7: 4/7: 5/7例の発現にとどまっていた。H-scoreもana:wel:mod:por 87.5±24.6: 11.4±11.4: 15.7±6.12: 60.0±20.7であり、APのH-scoreはwel, modより有意に高かった。結語)膵退形成癌は、比較的若い年齢の症例が多く、他臓器浸潤を伴う腫瘍サイズの大きい症例が多い特徴を有しており予後不良であった。他の分化型癌と比較し、E-cadherin,β-cateninの発現が低くvimentinの発現が高い傾向にあり、膵退形成癌の予後不良である原因の1つがEMTの獲得である可能性が示唆された。

キーワード

臓器別:膵臓

手法別:バイオマーカー

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