演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第52回・2014年・横浜
 

膵IPMNにおいてStathmin1は細胞増殖能を活性化し悪性化に関与する

演題番号 : O32-1

[筆頭演者]
渡辺 亮:1 
[共同演者]
鈴木 秀樹:1、横堀 武彦:1、石井 範洋:1、塚越 真梨子:1、久保 憲生:1、鈴木 茂正:1、新木 健一郎:1、和田 聡:1、桑野 博行:1

1:群馬大学大学院病態総合外科学(第一外科)

 

【背景】膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)は膵上皮性腫瘍の一種である。近年、CTやMRIなど画像診断技術の発達により、多くのIPMNが発見されるようになってきた。IPMNは組織学的に良性の腺腫(IPMA)と悪性の浸潤癌(IPMC)が存在している。IPMAはadenoma-carcinoma sequenceによる発癌機構が提唱されているが、悪性化の詳細なメカニズムは不明な点が多い。Stathmin1 (STMN1)は微小管の脱重合を促進する蛋白で、胃癌、乳癌など様々な癌で増殖や浸潤などの悪性化に関与する因子であることが報告されている。さらに最近では、STMN1はp27 (サイクリン依存キナーゼを阻害し、細胞増殖を負に制御する分子)と相互作用することが報告されている。今回、IPMNの悪性化におけるSTMN1の発現意義に関してp27発現との相関も併せて検討を行った。
【方法】当科で切除手術を受けたIPMNの切除症例27例(IPMA 17例、IPMC 10例)を対象に、免疫染色を用いてSTMN1発現を調べた。評価法は染色強度と染色範囲(%)をもとにスコア化を行った。同一症例に関して、p27発現、Ki67発現についても評価を行い、STMN1発現との相関を検討した。
【結果】IPMN 27例のうちSTMN1低発現が17例、高発現が10例であった。STMN1高発現群はIPMCが8例と有意に多かった(P = 0.0004)。STMN1高発現群10例中8例(80%)がp27低発現であり、STMN1-p27の発現は相反する特徴を示した(P = 0.0499)。また、Ki-67 labeling indexはSTMN1高発現群で平均78.8 (P = 0.0002)と有意に高かった。
【結論】STMN1高発現例はIPMC症例が有意に多く、p27が低発現、Ki67 indexは有意に高かった。IPMNにおいてSTMN1は細胞増殖の活性化を制御し、IPMAからIPMCへの癌化に関与する可能性が示唆された。

キーワード

臓器別:膵臓

手法別:バイオマーカー

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