演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第52回・2014年・横浜
 

膵癌術後の腹膜播種性転移における、がん細胞の由来について

演題番号 : O31-5

[筆頭演者]
村田 聡:1 
[共同演者]
竹林 克士:1、塩見 尚礼:1、仲 成幸:1、赤堀 浩也:1、山本 寛:1、山口 剛:1、貝田 佐知子:1、清水 智治:1、園田 寛道:1、太田 裕之:1、目片 英治:1、石田 光明:3、岡部 英俊:2、谷 徹:1

1:滋賀医科大学医学部外科学講座、2:滋賀医科大学医学部臨床検査医学講座、3:滋賀医科大学病院病理部

 

【背景】腹腔内洗浄細胞診陰性(CY0)の膵癌治癒手術後にも腹膜播種性転移が起こり、患者の予後やQOLを著しく損ねる。腹膜転移を起こす癌細胞は、いつどこから由来するのか、未だよくわかっていない。開腹時すでに細胞診検出レベル以下の腹腔内癌細胞が存在しているのか、あるいは膵癌手術中に癌細胞は腹腔内に散布されるのであろうか。【対象と方法】2012年2月から2014年1月までに膵癌手術を行い、膵癌手術前にCY0であった15例を対象とした。膵癌手術中に癌細胞が腹腔内に散布されているかどうかを検証するため、膵癌手術の前後で腹腔内洗浄液(PW)を採取し、細胞診と腹腔内洗浄液の細胞培養を行った。膵体尾部癌に対しては、膵体尾部切除(DP)後に術中腹腔内温熱化学療法(HIPEC)(MMC,CDDP,5-FU,GEMと生食5Lを42-43℃に加温し腹腔内を30分間持続還流)を追加した。【結果】膵頭十二指腸切除術(PD)11例、DP3例、膵全摘術1例中、pT2が1例、pT3が7例、pT4が7例、pN0が9例、pN1が4例、pN2が2例だった。15例(CY0)中、手術前のPW培養で3例にがん細胞が培養検出された。また、手術後のPW培養で13例(87%)に癌細胞が培養検出され、いずれもKi67染色陽性の増殖能のあるViableな癌細胞であった。手術後半年以上の観察期間があり、HIPEC非施行で、手術後PWに癌細胞が検出された8例中、肝再発を4例(50%)、肺再発を1例(12.5%)、腹膜再発を1例(12.5%)に認めた。手術後PW陰性の2例には腹膜再発を認めず、いずれも肝再発を認めた。DPを行った3例は、いずれも手術後PWで癌細胞が陽性となったが、術中HIPECを施行し、3例ともに腹膜再発を認めず、肝再発も認めなかった。HIPECに起因する合併症は認めなかった。【結論】膵癌手術により増殖能をもつ癌細胞が腹腔内に散布されることが証明された。これら術中散布癌細胞により、膵癌術後の腹膜播種性転移が形成される可能性があり、散布癌細胞に対する治療が必要と考えられる。

キーワード

臓器別:膵臓

手法別:手術療法

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