演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第52回・2014年・横浜
 

進行膵臓癌における末梢血中遊離癌細胞の検討

演題番号 : O31-4

[筆頭演者]
大久保 啓史:1 
[共同演者]
上之園 芳一:2、松下 大輔:1、柳田 茂寛:1、有上 貴明:1、平原 徹志:1、石神 純也:1、又木 雄弘:1、前村 公成:1、夏越 祥次:1

1:鹿児島大学大学院医歯学総合研究科消化器乳腺甲状腺外科、2:鹿児島大学大学院医歯学総合研究科分子応用外科学

 

進行膵臓癌は、発見時に局所浸潤や遠隔転移を伴い切除不能と診断される症例が多く、予後不良である。切除不能例においては化学放射線療法が主体であり,切除可能、ボーダーライン膵癌と判断された症例では術前化学放射線療法が広く検討されている。種々の固形癌で血中遊離癌細胞(Circulating Tumor Cell: CTC)の存在が以前から報告されており、分子生物学的手法を用いた検討が行われてきたが、膵臓癌に関しての報告は少なく、予後との相関も不明である。<目的>膵臓癌患者において形態学的に検出が可能であるCellsearch systemを用いてCTC検出を行い、臨床病理学的因子との関連および予後や化学放射線療法の効果予測について検討した。<対象・方法>2011年7月以降に当科で治療を行った進行膵臓癌46例(ボーダーライン:9例、切除不能:37例)を対象とした。CSSは磁気ビーズ標識の抗EpCAM抗体による分離後にPan-cytokeratin・DAPIによる蛍光免疫染色を行い、CD45染色により白血球を除外することでCTCを評価した。CTCは当科での初回治療開始前に静脈血7.5mlを採取し評価した。加療後にCTCを再検しえた27例で画像診断による治療効果判定との比較を行った。<結果>CTCの検出率は全体で26.1%(12/46)であり、ボーダーライン0%、切除不能32.4%であった。臨床病理学的因子ではCTC発現と遠隔転移、肝転移の有無、CA19-9値、他臓器浸潤、SPAN1値、CRP値において有意な相関が認められた。また、Kaplan-Meier法による生存曲線の比較において、全生存期間中央値は、CTC陽性群4.5ヶ月、CTC陰性群14.9ヶ月であり、CTC陽性群が有意に予後不良であった(p=0.001)。加療前後でCTC評価を行った27例では、加療前CTC陽性率は5例(18.5%)であり加療前後でCTC増加4例(14.8%)、CTC減少1例(3.7%)、CTC変化無し22例(81.5%)であった。CTCが前後で増加した症例で画像評価がPRとなった症例は無く、CTCが減少してPDとなった症例も認めなかった。<結語>膵臓癌においてCTCは予後と相関し、化学放射線療法の効果評価に有用となる可能性が示唆された。

キーワード

臓器別:膵臓

手法別:トランスレーショナルリサーチ

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