演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第52回・2014年・横浜
 

膵癌術前予後予測因子としてのFDG-PETの有用性

演題番号 : O31-2

[筆頭演者]
松本 逸平:1 
[共同演者]
山下 博成:1、新関 亮:1、外山 博近:1、浅利 貞毅:1、後藤 直大:1、田中 正樹:1、石田 潤:1、南野 佳英:1、植田 亜津紗:1、松本 拓:1、木戸 正浩:1、味木 徹夫:1、福本 巧:1、具 英成:1

1:神戸大学外科学講座肝胆膵外科学分野

 

【背景と目的】FDG-PETは膵癌の診断に用いられているが、治療方針決定にその有用性は低いとの報告がある。一方、原発巣のSUV値は腫瘍の生物学的特性を反映し、SUV高値例では術後早期再発が多いとの報告もあり、予後を反映する指標として期待される。今回、膵癌術前FDG-PETにおけるSUV値が予後予測因子となりうるかどうかを検討した。
【対象】2006年1月から2012年12月までの期間、当科で行った浸潤性膵管癌R0/1切除例のうち、術前治療例を除き自施設で術前FDG-PET検査を施行した72例を対象とし、後ろ向きに検討した。男女比46:26、平均年齢66歳、膵頭部癌:体尾部癌:全体癌が52:19:1例、NCCNガイドラインにおけるResectable膵癌:Borderline resectable膵癌が57:15例であった。原発巣におけるSUVmaxのcut-off値を3.0と設定し、SUVmax≦3.0(低値群:n=25)、SUVmax>3.0(高値群:n=47)の2群に分けて検討を行った。
【結果】SUV低値群ではMST38.0m、1, 2, 3, 5年生存率はそれぞれ92, 83, 54, 39%であった。高値群においてはMST17.7m、1, 2, 3, 5年生存率はそれぞれ78, 44, 28, 21%であり、SUV高値群は低値群に比して有意に予後不良であった(p=0.011)。
術後再発につき検討したところ、SUV低値群における1, 2, 3, 5年無再発生存率はそれぞれ72, 47, 24, 12%、高値群では49, 23, 23, 12%であり、無再発生存期間中央値は低値群で23.2m、高値群で11.5mであった。両群間に有意差は認めなかったが、2年以内の再発例は高値群で有意に多く認められた(p=0.026)。
単変量解析においては、SUVmax>3.0、術前画像腫瘍径(>20mm)、術前CA19-9値(≧100U/ml)、UICC pN因子、癌遺残度、術後補助療法完遂有無、が有意な予後規定因子であった。多変量解析では、SUVmax>3.0、UICC pN因子、術後補助療法完遂有無、が有意な予後規定因子であったが、SUV値のみが唯一術前因子であった。
【結語】FDG-PETにおけるSUV値は、膵癌における独立した、唯一の術前評価可能な予後規定因子である可能性が示唆された。SUV高値例では術後早期再発が高率で、予後改善を目指した術前治療の対象になりうると考えられた。

キーワード

臓器別:膵臓

手法別:画像診断(イメージング)

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