演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第52回・2014年・横浜
 

cStage ⅠA肺腺癌手術可能例における定位放射線治療と肺葉切除の比較:傾向スコア解析

演題番号 : O29-7

[筆頭演者]
江場 淳子:1 
[共同演者]
中村 健一:1、水澤 純基:2、鈴木 健司:3、永田 靖:4、小池 輝明:5、平岡 真寛:6、渡辺 俊一:7、石倉 聡:3、淺村 尚生:7、福田 治彦:2

1:国立がん研究センター多施設臨床試験支援センター/JCOG運営事務局、2:国立がん研究センター多施設臨床試験支援センター/JCOGデータセンター、3:順天堂大学医学部附属順天堂医院、4:広島大学病院、5:新潟県立がんセンター新潟病院、6:京都大学医学部附属病院、7:独立行政法人国立がん研究センター中央病院

 

【背景】早期非小細胞肺癌の手術可能例を対象にした体幹部定位放射線治療(SBRT)と肺葉切除を比較するランダム化比較試験で過去に患者登録を完遂した試験はない。本研究では、多施設共同臨床試験であるJCOG0403(SBRT)とJCOG0201(肺葉切除)の全生存期間を傾向スコア解析を用いて比較した。

【方法】本研究では、標準手術可能、臨床病期T1N0M0、治療前に病理組織診または細胞診で肺腺癌と診断されていることを適格規準とした。JCOG0403からは2004-2007年に登録された169例中40例、JCOG0201からは2002-2004年に登録された811例中219例が本研究の対象となった。Primary endpointは傾向スコア解析で調整した全生存期間とした。傾向スコアは、年齢、性別に加えて胸部CT所見である腫瘍径およびC/T比(充実濃度(consolidation)と腫瘍最大径(tumor)の比)を共変量としたロジスティック回帰により推定した。

【結果】患者背景因子は年齢の分布が両群で大きく異なり、SBRT群は中央値79歳(interquartile range (IQR): 74.5-83.5)、肺葉切除群は62歳(IQR: 55-68)だった。その他の因子の群間の違いは小さく、男性/女性はSBRT群が20/20人、肺葉切除群が108/111人、腫瘍径はSBRT群が2.36 cm(IQR: 1.92-2.55)、肺葉切除群が2.20 cm(IQR: 1.90-2.70)、C/T比はSBRT群が1.00(IQR: 0.85-1.00)、肺葉切除群が1.00(IQR: 0.68-1.00)だった。傾向スコアを用いたマッチング解析では、各群21例ずつがマッチングされ、全生存期間のハザード比は9.00(95% CI: 1.14-71.04)で肺葉切除群が上回った。IPTW法を用いた解析では、JCOG0201の適格規準に合わせて75歳以下のサブグループ解析を行った。定位放射線治療13例と肺葉切除219例を比較すると、全生存期間のハザード比は1.19(95% CI: 0.38-3.73)で点推定値では肺葉切除が上回った。

【結論】マッチングと75歳以下を対象としたIPTW法のいずれでも肺葉切除の全生存期間がSBRTを上回ったが、サンプルサイズが小さいためにいずれも推定精度が低い結果であった。検証的な結論を得るには、治療前に評価可能な背景因子の分布の上限と下限をそろえられるよう対象を設定した上で、SBRTと肺葉切除の検証的比較試験を行う必要がある。

キーワード

臓器別:肺・縦隔・胸膜

手法別:局所療法

前へ戻る