演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第52回・2014年・横浜
 

胃癌におけるGremlin1発現の検討

演題番号 : O20-5

[筆頭演者]
山崎 洋一:1 
[共同演者]
石神 純也:1、柳田 茂寛:1、有上 貴明:1、上之薗 芳一:1、盛 真一郎:1、前村 公成:1、奥村 浩:1、夏越 祥次:1

1:鹿児島大学大学院腫瘍制御学

 

【目的】Gremlin1は骨誘導を引き起こすタンパク質として同定されたBone morphogenetic protein(BMP-7のantagonistである)2.4.7のantagonistとされ、骨形成、細胞増殖、アポトーシスにおける調節因子に関与するとされる。 近年、Gremlin1は様々な癌種において発現していると報告されている。また予後因子としての有用性も散見され、肺腺癌、悪性黒色腫においてはGremlin1の過剰発現が予後不良因子とされ、膵内分泌腫瘍では過剰発現が 予後良好因子となると報告され、一定の見識は見られない。今回われわれは胃癌におけるGremlin1の発現をretrospectiveに検討し、臨床病理学的意義を考察したので報告する。【対象と方法】2003年から2012年に当科にて胃癌と診断され、根治切除を行った90名(男性 52例、女性38例、平均年齢67歳、StageⅠ・Ⅱが39例、StageⅢ・Ⅳが51例)を対象とした。Gremlin1の発現は腫瘍を含めたパラフィン包埋切除標本を薄切して用いて抗Gremlin1抗体を一次抗体としてABC法による免疫組織化学染色を行い、腫瘍部でのGremlin1の発現と胃癌の臨床因子との関連を検討した。【結果】Gremlin1は胃癌細胞の核、細胞質ともに発現を認めた。核と細胞質それぞれにおける発現強度と臨床因子(年齢、性別、腫瘍径、Stage、リンパ節転移、リンパ管侵襲、静脈侵襲、組織型)との比較を行ったところ、核におけるGremlin1の過剰発現が、StageⅠ・Ⅱ症例、リンパ節転移陰性例、および静脈侵襲陰性例において有意に増加していた。生存曲線においては有意差を認めないものの、Gremlin1過剰発現群が予後良好となる傾向を示した。【結論】以前胃癌におけるBMP-7の発現は独立した予後不良因子であることをわれわれは報告している。今回検討したGremlin1の臨床病理学的特徴はBMP-7発現のそれと相反する結果となり、BMP-7のantagonistであることの裏付けの一つであり、胃癌の増殖浸潤、転移形成にBMP-7/Gremlin1発現がかかわっている可能性がある。胃癌におけるGremlin1の発現は予後因子の一つとなる可能性が示唆された。

キーワード

臓器別:胃・十二指腸

手法別:基礎腫瘍学

前へ戻る