演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第52回・2014年・横浜
 

胃癌患者における血中遊離癌細胞のEpCAM発現に関する検討

演題番号 : O20-3

[筆頭演者]
平原 徹志:1 
[共同演者]
上之園 芳一:1、柳田 茂寛:1、有上 貴明:1、松下 大輔:1、萩原 貴彦:1、原口 尚士:1、衣裴 勝彦:1、有馬 豪男:1、平田 宗嗣:1、石神 純也:1、夏越 祥次:1

1:鹿児島大学医学部・歯学部附属病院消化器乳腺甲状腺外科

 

胃癌患者において循環癌細胞(Circulating Tumor Cells:CTC)の存在は広く検討されており、RT-PCRやフローサイトメトリー法により報告されている。当科ではCellSearchシステムを用いて検出を行い、再発や予後に相関することを報告してきた。乳癌や大腸癌において上皮間葉転換(Epithelial Mesenchymal Transition; EMT)理論に基づき、上皮マーカーであるEpCAMを発現していないCTCが重要であるとする報告が散見される。【目的】胃癌細胞株および胃癌患者の末梢血におけるCTCを検出し、EpCAM発現の有無による細胞の特性について検討した。【方法】実験1:胃癌細胞株MKN45,KATO-Ⅲ,NCI-N87を用いて1000個の癌細胞をそれぞれPBSと非担癌血液にスパイク後2時間37℃にて60回/分でゆっくり撹拌し、CellSearchにより癌細胞数を評価した。CellSearchは、磁気ビーズ標識の抗EpCAM抗体でCTCを分離、CytokeratinとDAPIにより蛍光免疫染色を行いCD45染色が陽性のものを白血球として除外し、画像化してCTC数を測定した。実験2:胃癌細胞株MKN45を用いて6×104個をPBSと血液にスパイクし、磁気ビーズ標識の抗EpCAM抗体によりEpCAM陽性細胞と陰性細胞を分離し、CEA, Vimentin, N-cadherin, CD133, CD138, EpHA2をプライマーとしたRT-PCR法により定量を行い比較検討した。実験3:切除不能胃癌8例、非担癌健常者6例における末梢血を同様にCellSearhおよびRT-PCR法により検討した。【結果】実験1:PBS混和に比較して血液へ混合した群ではKATOⅢで54.5%、MKN45で52.5%、NCI-N87で51.1%にEpCAM陽性細胞数は減少していた。実験2:RT-PCR法による定量ではEpCAM陽性細胞でCEAのみが有意に高く、EpCAM陰性細胞でVimentin, N-cadherin, CD133, CD138, EpHA2が有意に高かった。実験3:EpCAM陽性細胞は、胃癌患者が非担癌健常者に比べてCEA発現が高く、Vimentin, N-cadherin, CD133, CD138, EpHA2は症例によりばらつきはあったが、非担癌健常者に比べて発現が高い傾向であった。EpCAM陰性細胞ではEpCAM陽性細胞に比べて有意にVimentin, N-cadherin, CD133, CD138, EpHA2の発現量は高かった。【結語】胃癌においてCellSearchにより検出されるCTCには、EpCAM発現の程度により限界があり、EpCAM陰性のCTCが存在する可能性が示唆された。CTC検出の精度を高めるには、EpCAM陰性CTCの検出のためVimentin, N-cadherin, CD133, CD138, EpHA2などの間葉系マーカーが必要となる可能性がある。

キーワード

臓器別:胃・十二指腸

手法別:バイオマーカー

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