演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第52回・2014年・横浜
 

がん患者リハビリテーションにおける在宅復帰要素の検討

演題番号 : O2-5

[筆頭演者]
近藤 心:1 
[共同演者]
江西 哲也:1、佐藤 紀:1、福森 知治:2、加藤 真介:1

1:徳島大学病院リハビリテーション部、2:徳島大学病院泌尿器科

 

【目的】
がん患者においては、国の施策による在宅医療の推進、疾患の特性として生命予後が不良である場合が少なくないこと、化学療法に代表される繰り返す治療などの理由で原疾患の治療後に在宅復帰が望まれる場合が多い。しかし、治療による侵襲あるいは体力低下などによりADLが低下するがん患者が多く、在宅復帰に向けてリハが果たす役割は大きい。本研究ではリハが実施されたがん患者の在宅復帰の際に必要となる因子をADL面および環境面を中心に検討した。
【方法】
対象は2010年10月から2013年9月までに当院にてリハが実施されたがん患者(n=398)から死亡退院となったもの(46名)を除いた計352名で、在宅復帰群(n=225)と転院群(n=127)に分類した。在宅復帰に関わる因子として、年齢、性別、リハ紹介までの日数、リハ日数、退院時Barthel Index(以下BI)スコア、摂食嚥下障害の保有率、多臓器転移の保有率、独歩および杖歩行率(以下独歩率)、介護保険認定の保有率、家族との同居率の10項目について単変量および多変量での解析を行った。単変量解析はMann-WhitneyのU検定およびχ2検定を用い、多変量解析は在宅復帰を目的変数としたロジスティック回帰分析を用いた。
【結果】
各項目の中央値もしくはパーセンテージは、在宅復帰、転院の順にそれぞれ、年齢(67.0歳、72.0歳)、性別(女性比率;41.3%、50.4%)、紹介日数(10.0日、14.0日)、リハ日数(27.0日、28.0日)、BIスコア(95.0、50.0)、摂食嚥下障害(12.9%、26.8%)、多臓器転移(24.0%、31.5%)、独歩(73.3%、30.7%)、家族同居(71.1%、65.4%)、介護保険認定(24.0%、12.6%)で、単変量解析にて年齢(p=0.002)、BIスコア(p<0.001)、摂食嚥下障害(p=0.001)、独歩(p<0.001)、介護保険(p=0.012)で有意差を認めた。多変量解析では年齢(p=0.014、オッズ比0.971)、BIスコア(p<0.001、オッズ比1.042)、独歩(p=0.020、オッズ比2.342)、介護保険認定(p<0.001、オッズ比12.705)が有意な因子であった。
【考察】
BIスコアおよび独歩率は在宅復帰に直接関与する因子であることが示唆され、リハにおいてもその改善が最重要課題であるといえる。また介護保険でのサービスを利用することにより、在宅療養へのスムーズな移行、あるいはその後行われる治療に向けての体力維持などが図られるため、ADLの低下したがん患者に対するリハの一環として積極的な導入を検討する必要がある。

キーワード

臓器別:その他

手法別:リハビリテーション

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