演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第52回・2014年・横浜
 

胃癌肝転移の肝切後、残肝再発防止を目指した徐放化抗癌剤の動注, 門注の遠隔治療効果

演題番号 : O19-8

[筆頭演者]
水野 勇:1 
[共同演者]
石田 理子:1、今藤 裕之:2、佐本 洋介:1、角田 直樹:1、寺西 太:2、佐藤 篤司:1、神谷 保廣:1、小熊 孔明:3、竹山 廣光:2、四ツ柳 智久:4

1:名古屋市立緑市民病院外科、2:名古屋市立大学大学院医学研究科消化器外科、3:名古屋市立緑市民病院病理、4:愛知学院大学薬学部臨床製剤学

 

【はじめに】肝転移合併胃癌例や術後肝転移再発例の肝切除の完治を目指すには肝切後の残肝再発の防止・治療が重要である。肝切後の残肝再発防止治療を目的として徐放化抗癌剤:Liposome-Adriamycin(Lipo-ADR)を調製し、動注,門注の基礎的検討では安全性、徐放効果、治療効果が得られた。今回は胃癌肝転移の肝切除不能例、肝切除例を中心に、局所癌化療(動注,門注)(以下:局癌化療)として、以前Lipo-ADRの臨床応用が出来た肝転移例の予後、ならびに遠隔治療効果を検討した。
【対象・方法】2013年12月までに経験した胃癌手術例は1050例であるが肝転移治療が出来た症例を中心に検討すると、切除不能肝転移例で局癌化療を繰り返した胃癌例は12例(A群)であった。一方同期間の胃癌肝転移の肝切除例は16例(同時性11例、異時性5例)(B群)であり、これら肝切除後に残肝再発の防止を目指したLipo-ADR(ADR:20mg/動注,門注/隔週/6回)の局癌化療の臨床応用(11例)が出来た症例を中心に肝転移術後の予後を再調査して遠隔治療効果の検討を行った。
【結果】1)A群(12例)で、Lipo-ADRを用いた局癌化療例の5例では、非使用例の7例に比べOSの延長(p=0.0114)が認められた。2)B群の肝切除を行った16例とA群の肝切除不能例の12例では、B群にOSの延長(p=0.026;C-M test)が認められた。3) また、B群の16例で局癌化療として肝切除後のLipo-ADR使用例(6例)(MST;53.1か月)は非使用例(10例)(MST;10.65か月)に比べ明らかにOSの延長(p=0.012;g-W)が認められた。肝切除後Lipo-ADR使用例の最長生存例は、初回胃切除時に同時性にS3肝転移を認め外側区部分切除(転移巣3×3.5cm)を行い内服癌化療を行ったが6か月後にはS4肝転移再発を認め肝切除後、Lipo-ADR門注局癌化療を追加した。この肝切除後は経過良好であったが2回目肝切除後から13年7か月後に上行結腸癌が判明し右半結腸切除を行った。しかしこの手術時に胃癌病巣は画像上も、手術所見上も腹腔内に無く胃癌は治癒したものかと判断された。【まとめ】1) 切除不能肝転移例でもLipo-ADRを用いた局癌化療でOSの延長が、その中にはLipo-ADRの反復投与でPR,CRが得られた例もあった。2) B群16例ではA群12例に比べOSの延長が得られ、特に肝切除後のLipo-ADRによる局癌化療例ではOSの延長が得られ、その1例では治癒に寄与出来たかと推測も出来、本投与法は胃癌肝転移の治療成績向上に期待が出来る。

キーワード

臓器別:胃・十二指腸

手法別:局所療法

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