演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第52回・2014年・横浜
 

StageⅣ胃癌におけるDCS療法の治療成績 ~1次治療でのDoubletとTripletの比較検討~

演題番号 : O19-4

[筆頭演者]
奥村 直樹:1 
[共同演者]
山口 和也:1、棚橋 利行:1、市川 賢吾:1、八幡 和憲:1、山田 敦子:1、今井 寿:1、佐々木 義之:1、田中 善宏:1、松橋 延壽:1、高橋 孝夫:1、長田 真二:1、吉田 和弘:1

1:岐阜大学医学部腫瘍外科

 

【背景と目的】高度進行胃癌に対する化学療法として,ドセタキセル,シスプラチン,S-1の3剤併用(Triplet)療法(DCS)が注目されているが,その有効性は十分検証されているとは言えない.そこで,当院でDCS療法を施行した進行胃癌患者の治療成績を報告すると共に,Doublet療法(TS1+CDDPまたはTS1+ドセタキセル)と比較検討した.
【方法】対象は2004年7月から当科でStageIV胃癌に化学療法を施行した151人から,1次治療としてDCS療法を施行した19人を対象とした(DCS群).2011年9月から導入後の4症例は分割投与法で行い,2012年4月からの15例はJCOGレジメン(ドセタキセル40mg/m2,シスプラチン60mg/m2,S-1 80mg/m2 day1-14の4週サイクル)で施行した.また,TS1を含むDoulet治療(TS1+CDDPまたはTS1+ドセタキセル)を1次治療で施行した111人(TS1+α群)と,治療効果,切除率,病理学的奏効度,生存期間について後ろ向きに比較検討した.
【結果】DCS群とTS1+α群の平均年齢は,61.9歳,64.0歳,男女比は,68%:32%,67%:33%であった.腫瘍分化度,肉眼的腫瘍型,壁深達度,リンパ節転移度の背景因子に差を認めなかった.DCS群とTS1+α群の腹膜播種は47%,44%であったが,肝転移は5%と45%で,TS1+α群に多かった.最良治療効果は,DCS群で,PR8例(42%),SD8例(42%),PD1例(5.3%),TS1+α群で,CR1例(1%),PR30例(33%),SD42例(46%),PD16例(17%)であった.DCS群とTS1+α群の奏効率は42%,34%,病勢コントロール率は84%,79%であった.切除率は,DCS群37%(7例), TS1+α群27%(25例)で,切除症例で根治度Aは認められなかったが,根治度BはDCS群71%(5例),TS1+α群56%(14例)であった.病理学的治療効果判定は,DCS群でgrade 1aが2例(29%),grade 1bが1例(14%),grade 2が4例(57%), TS1+α群grade 1aが9例(41%),grade 1bが4例(18%),grade 2が7例(32%),grade3が2例(9%)であった.生存期間中央値は,DCS群21.6ヶ月,TS1+α群14.1ヶ月であるが有意差は認められなかった.
【結語】高度進行胃癌に対してDCS療法を行い,比較的すぐれた治療効果が得られ,R0手術が可能となった症例を経験した.後ろ向き検討であるが,従来施行されてきたDoublet治療と比較して,DCS療法は奏効率と切除率が高い傾向を示し,高度進行胃癌における有効な1次治療となり得ることが示唆された.今後も症例の集積と長期成績のフォローアップが必要である.

キーワード

臓器別:胃・十二指腸

手法別:化学療法

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