演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第52回・2014年・横浜
 

食道胃接合部腺癌に対する術前化学療法+手術の安全性と短期有効性:COMPASS附随研究

演題番号 : O19-1

[筆頭演者]
吉川 貴己:1 
[共同演者]
田邊 和照:2、西川 和宏:3、伊藤 友一:4、林 勉:1、青山 徹:1、長谷川 慎一:1、尾形 高士:1、長 晴彦:1、坂本 純一:5

1:地方独立行政法人神奈川県立病院機構神奈川県立がんセンター消化器外科、2:広島大学病院消化器外科、3:独立行政法人国立病院機構大阪医療センター外科、4:愛知県がんセンター中央病院消化器外科、5:公立学校共済組合東海中央病院

 

進行した胃食道接合部腺癌(AEG)に対し術前補助化学療法(NAC)+手術は期待された治療だが、AEGに対するNACの効果や手術の安全性について、前向き研究で明らかにした報告はない。【方法】CTと腹腔鏡で規定された切除可能進行癌を対象として、術前補助化学療法(NAC)のレジメン(S-1+CDDP/Paclitaxel+CDDP)とコース数(2/4コース)を2X2で比較するランダム化Phase II試験COMPASSでは、AEG/Non-AEGを割付調整因子に設定している。COMPASS登録症例のサブ解析としてAEG/Non-AEGでの手術リスクと化学療法の有効性を比較した。COMPASS試験のPrimary endpointは3年生存割合で選択確率約80%、症例数60-80例で設計した。【結果】登録症例の詳細:83例を登録。AEG24例、Non-AEG59例。年齢中央値はAEGで66歳、Non-AEGで60歳とAEGで有意に高齢(p=0.032)。肉眼型(type 0/1/2/3/4/5)はAEGで0/2/15/7/0/0、Non-AEGで1/3/7/31/9/8とAEGで2型が多くNon-AEGでは3型が多かった(p=0.000)。Clinical T/Nに偏りなし(p=0.13/0.437)。切除可能P(-/+)は、AEGで24/0、Non-AEGで57/2で偏りなし(p=0.437)。CY(-/+)は、AEGで22/2、Non-AEGで49/10で偏りなし(p=0.361)。化学療法レジメン(SC2/SC4/PC2/PC4)は、AEGで5/6/5/8、non-AEGで16/14/16/13と偏りなし(p=0.704)。NAC後の切除例は、AEGで24例全例、Non-AEGで51例。胃全摘/幽門側胃切除は、AEGで24/0、Non-AEGで34/17と有意差(p=0.001)。脾摘はAEGで17例、Non-AEGで20例と有意差(p=0.009)。郭清度(D1/D2)は、AEGで3/21、Non-AEGで3/48と有意差なし(p=0.324)。AEGでは、23例が経裂孔アプローチでの下縦隔郭清を受け、1例は左開胸開腹手術を受けた。腫瘍遺残(R0/1/2)は、AEGで21/1/2、Non-AEGで41/7/3と有意差なし(p=0.439)。術後合併症:全てClavien-Dindo分類Grade 3aまで。AEGで膵液漏13%、腹腔内膿瘍8%、術後出血8%、胸水8%、縫合不全4%。Non-AEGで、膵液漏6%、縫合不全4%、術後出血4%。化学療法の効果:臨床奏効率は、AEGで38%、non-AEGで36%と有意差なし(p=0.819)。病理学的奏効率(Grade 1B以上)は、AEGで42%、non-AEGで41%と有意差なし(p=0.938)。
【まとめ】AEGはNon-AEGに比し、侵襲の高い手術を受けており術後合併症の頻度はやや高いがAcceptableであった。化学療法の臨床的効果と病理学的効果には差異なし。AEGに対するNAC+胃全摘D2郭清手術は、Non-AEGと同程度に有望で安全な治療と考えられる。

キーワード

臓器別:胃・十二指腸

手法別:集学的治療

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