演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第52回・2014年・横浜
 

術前sarcopeniaと肥満関連因子からみた食道癌手術患者の予後因子解析

演題番号 : O14-5

[筆頭演者]
菊池 勇次:1 
[共同演者]
竹内 裕也:1、中村 理恵子:1、高橋 常浩:1、和田 則仁:1、川久保 博文:1、才川 義朗:1、大森 泰:1、北川 雄光:1

1:慶應義塾大学病院一般・消化器外科

 

【背景と目的】sarcopeniaとは進行性および全身性の骨格筋量および骨格筋力の低下を特徴とする症候群であり、BMIや内臓脂肪といった体格に関連する因子と同様、近年外科手術における合併症や予後との関連についての報告がある。そこで、今回われわれは食道癌手術患者における術前sarcopeniaや肥満関連因子と予後因子との関連について検討した。
【対象と方法】2008年1月から2011年2月までに当科で胸腹部に操作が及ぶ食道癌根治手術を行った食道癌患者88例を対象とした。術前CTにおけるL3レベルの大腰筋面積をSYNAPSE VINCENTを用いて測定し、身長で補正した値であるtotal psoas muscle area(TPA)を算出した。TPAが各性別の下位25%以下であった場合にsarcopeniaと判断した。肥満関連因子としては術前body mass index(BMI)と、SYNAPSE VINCENTを用いて解析した臍レベルでの皮下脂肪面積、内臓脂肪面積、腹囲を用いた。手術時間、出血量、術後CRP最高値、術後肺炎、縫合不全などの周術期関連因子および全生存率、無再発生存率について検討した。
【結果】食道癌患者88例中sarcopenia群/非sarcopeniaは21例(24%) /67例(76%)であった。sarcopenia群と非sarcopenia群と比較して全生存率(p=0.929)、無再発生存率(p=0.471)であり、両群間に有意差は認めなかった。また、周術期合併症に関する検討では、sarcopenia群において縫合不全が多い傾向(p=0.063)にあり、術後CRP最高値も有意に高値(p<0.001)であった。BMIに関する検討では、BMI≧22kg/㎡は40例(45%)、BMI<22kg/㎡は48例(55%)であり、BMI≧22kg/㎡の群において全生存率(p=0.019)、無再発生存率(p=0.037)ともに有意に高かった。その他の肥満関連因子(皮下脂肪面積、内臓脂肪面積、腹囲)には有意差を認めなかった。
【考察】今回の検討では、BMIは食道癌根治術後の予後因子と有意に関連していた。対して、術前sarcopeniaについては予後との関連性は認めなかった。筋肉量は術前だけでなく術後の評価を行うことで変化を見ることが可能であり、今後さらなる検討を行っていく必要があると考えられた。

キーワード

臓器別:食道

手法別:臨床試験

前へ戻る