演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第52回・2014年・横浜
 

食道癌術前化学療法症例の有害事象出現予測に関する栄養スクリーニング法の有用性

演題番号 : O14-1

[筆頭演者]
渡邉 清永:1 
[共同演者]
宇良 敬:2

1:愛知県がんセンター中央病院看護部、2:愛知県がんセンター中央病院薬物療法部

 

【背景】進行食道癌では通過障害のため診断時に栄養状態不良であることが多く、栄養状態が周術期合併症発症に影響を及ぼすことが報告されている。また他癌腫では低栄養が化学療法の有害事象発症と関連することも報告されている。栄養スクリーニング法には各種ありMUST法は、BMI、体重減少、栄養摂取状況の3種を用いる簡便な方法である。他に包括的評価であるSGA法、客観的評価である小野寺式PNI法などが用いられている。進行食道癌では栄養状態不良であるものの、術前化学療法(NAC)を行い外科切除を行う必要がある。栄養状態と周術期合併症との関連について検討が行われているが、栄養状態と術前化学療法の有害事象発症予測に関して最も有用な栄養スクリーニングに関する検討はされていない。
【目的】栄養スクリーニングを用いてNACの有害事象に関する予測可能性を明らかにする。
【方法】2011~2013年にNAC後根治的食道切除術を受けた125症例を対象とした後方視的検討。NACは、5FU+CDDP(FP)療法または5FU+CDDP+DTX(DCF)療法。評価する有害事象のアウトカムは初回化学療法中の感染症、口内炎、下痢の発症。解析方法は、MUST法によるScore0を栄養良好群、Score1-2を栄養不良群に区分。同2群を説明変数とし、各アウトカムについてロジスティック解析により独立した因子を導く。共変量はSGA、小野寺式PNI、レジメン、クレアチニンクリアランス(Ccr)、年齢、予防的抗生剤投与の有無。
【結果】年齢中央値64歳[44-77]、男107例/女18例、MUST栄養良好群72例/不良群53例、SGA group A 102例/group B-C 23例、PNI中央値 49 [26-61]、Ccr 82ml/min [38-139]、FP療法81例、DCF療法44例、ニューキノロン予防的内服なし96例/あり29例。感染症24例、口内炎68例、下痢36例で発症を認めた。感染症発症関連因子は、PNI高値がオッズ比 0.88[95%信頼区間0.79-0.97]、DCF療法がオッズ比 8.01[95%信頼区間2.67-24.0]と2因子が抽出。下痢発症関連因子は、MUST不良群がオッズ比 5.46[95%信頼区間2.03-14.7]、DCF療法がオッズ比 8.20[95%信頼区間3.09-21.7]と2因子が抽出。口内炎発症関連因子は、MUST不良群がオッズ比 2.96[95%信頼区間1.37-6.42]と抽出。PNIは感染症発症の、MUSTは口内炎、下痢発症を予測する可能性が示唆された。
【結語】PNI、MUST法は、NACによる有害事象予測において有用であることが示唆される。簡便なスクリーニング法であり汎用されることが期待される。

キーワード

臓器別:食道

手法別:集学的治療

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