演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第52回・2014年・横浜
 

乳癌脳転移症例subtype別の検討

演題番号 : O11-7

[筆頭演者]
牧野 孝俊:1 
[共同演者]
工藤 俊:1、蓮沼 綾子:1

1:山形県立中央病院乳腺外科

 

【目的】乳癌新規治療薬の登場で、進行再発乳癌の生存期間は年代毎に延長が得られている。しかし、脳転移に関しては薬剤が無効の場合があり、いまだ問題を抱えている。近年、乳癌はsubtype別に治療がなされているが、脳転移症例に対するsubtype別の検討は少ない。今回、乳癌脳転移症例におけるsubtype別の脳転移発症時期や治療法、生存期間などを比較し、特徴や相違点を明らかにした。
【対象と方法】対象は2007年1月~2013年10月まで、当院で乳癌脳転移と診断され、局所療法が行われた45例。これらの初診時の平均年齢、stage、初再発部位などの背景因子、初再発までの期間と脳転移までの期間、脳転移後からの生存期間、脳転移の発見経緯についてsubtype別に検討した。
【結果】subtypeはLuminal type(以下Lumi)が18例、HER2 type(以下HER2)が15例、Triple negative(以下TN)が12例であった。平均年齢は、Lumiが57.2歳、HER2が57.4歳、TNが60.9歳(p=0.81。)初診時のstage(stage1/2/3/4)では、Lumiが2/10/4/2例、HER2が0/3/5/7例、TNが4/3/2/3例(p=0.07)とHER2でstage4が多い傾向があった。初再発部位では、特に有意な差を認めなかった。stage1~3における初再発までの期間は各々、65.8ヶ月、45.8ヶ月、26.8ヶ月(p=0.07)。初再発から脳転移までの、平均期間は、31.1ヶ月、20.4ヶ月、14.6ヶ月(p=0.25)とsubtype別に脳転移出現の時期が異なる傾向があった。脳転移後からの生存期間中央値は脳転移後の化学療法実施率は、各各80%台で、差は無かったがLumiが13ヶ月、HER2が28ヶ月、TNが7ヶ月(p=0.29)とHER2で良好な傾向を認めた。脳転移の発見経緯では、フォローCTで発見された症例(n=19)と有症状で発見された症例(n=26)で比較すると平均生存期間は、各各16.3ヶ月と14.5ヶ月(p=0.70)と差を認めなかった。脳転移による死亡は、各各36.4%と68.4%(p=0.18)であり、有症状で発見された症例では、脳転移に伴う症状コントロールが困難であると思われた。
【考察】脳転移は、subtype別に初再発からの出現時期が異なる可能性が示唆された。脳転移は、QOLの低下を来たす重要な問題であり、subtypeも念頭においたスクリーニングを心かけることが肝要であろう。脳転移後の予後に関しては、HER2で脳転移制御後、抗HER2療法により全身コントロールが良好な場合、長期生存する症例があることがわかった。

キーワード

臓器別:乳腺

手法別:病理

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