演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第52回・2014年・横浜
 

乳癌の予後変遷とサブタイプとの関連

演題番号 : O11-6

[筆頭演者]
徳永 えり子:1,2 
[共同演者]
山下 奈真:1、田中 仁寛:1、上尾 裕紀:1、安藤 幸滋:1、佐伯 浩司:1、沖 英次:1、森田 勝:1、前原 喜彦:1

1:九州大学大学院消化器・総合外科、2:九州大学大学院九州連携臨床腫瘍学

 

背景:診断技術、治療法の進歩などにより乳癌の予後は経時的に改善していると考えられている。今回乳癌の予後の変遷とサブタイプとの関連について検討した。
対象:1994-2011年に術前薬物療法なしで手術を施行されたI-III期乳癌676例。
方法: 当科にてアンスラサイクリン系・タキサン系抗癌剤を主とした術後標準的化学療法を行うようになった2003年を境に、手術時期を前期(1994-2002年;232例)、後期(2003-2011年;444例)に分類し、手術時期と予後との関連をサブタイプ毎に解析した。サブタイプはホルモン受容体(HR)+/HER2陰性-、HR+/HER2+, HR-/HER2+, triple negative (TN)の4群に分類した。
結果:全症例では無再発生存(DFS)、無遠隔再発生存(DMFS)、全生存(OS)のいずれにおいても後期の方が有意に良好であった。後期においてT1、ER陽性、PR陽性、核グレード1、リンパ節転移陰性、HR+/HER2-症例といった、早期、低悪性度の症例が有意に多く認められた。また、術後化学療法は後期に有意に多く使用されていた。サブタイプ別にはHR+/HER2-群、HR-/HER2+群において後期の方が有意に予後良好であったが、この予後改善はT1、n0で著明であった。HR+/HER2+群においては後期の方が予後良好の傾向であった。しかし、TN群においては、後期において多くの症例で術後化学療法が行われていたにも関わらず、DFS、DMFSいずれも前期と後期で差は認められず、術後化学療法の施行増加が予後改善に結びついていないことが示唆された。
考察:乳癌の予後は経時的に改善しているが、早期症例、低悪性度症例の増加がその一因と考えられる。サブタイプに関しては、HR+/HER2-群、HR-/HER2+群の予後は明らかに改善しているが、TN群においては差が認められなかった。TNは非常に多様性に富んでおり、化学療法感受性にも大きな差があることから、化学療法により予後改善が得られる症例と、逆に悪性度が増す症例が混在している可能性が考えられる。今後は化学療法の必要な症例を選択する予測因子の同定が求められる。
結語:乳癌の予後の変遷はサブタイプにより異なることが示された。

キーワード

臓器別:乳腺

手法別:集学的治療

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