演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第52回・2014年・横浜
 

ASCO/CAP HER2検査ガイドライン変更に伴う境界域症例の検討

演題番号 : O11-4

[筆頭演者]
小田 直文:1 
[共同演者]
松並 展輝:1、森島 宏隆:1、清水 潤三:2、吉川 正人:2、金 浩敏:2、村上 昌裕:2、人羅 俊貴:2、長谷川 順一:2、三輪 秀明:3、山本 憲:3

1:独立行政法人労働者健康福祉機構大阪労災病院乳腺外科、2:独立行政法人労働者健康福祉機構大阪労災病院外科、3:独立行政法人労働者健康福祉機構大阪労災病院病理診断部

 

【背景】HER2検査は分子標的治療の適否を左右するため、近年その重要性は高まっている。2013年10月にASCO/CAPのHER2検査ガイドラインが改定された。特にISH法の項目ではHER2/CEP17シグナル比の基準値が2.0となり、全例にHER2遺伝子増幅数判定が追加されるカスケードへ変更された。今後、トラスツズマブ病理部会作成の「HER2検査ガイド(第3版)」も更新される可能性がある。
【目的】当院でのHER2検査は固定時間などの標本作成が画一化された、針生検標本でIHC法とFISH法を行っている。「HER2検査ガイド(第3版)」はIHC2+、FISH値1.8-2.2を各々境界域とし、追加検査を推奨している。今回私たちはIHC2+およびFISH値1.8-2.2の境界域症例でHER2遺伝子増幅数を調べ、「HER2検査ガイド(第3版)」と「ASCO/CAP(2013)HER2検査ガイドライン」のFISH法におけるHER2陽性の差異を検討し、抗HER2療法の適応拡大につながるかを検討する。
【対象と方法】対象は、2012年7月-2014年1月まで、浸潤性乳癌に対し針生検標本でHER2検査(IHC法、FISH法)を施行した226例。IHC法は当院病理医2人により0、1+、2+、3+に判定され、FISHの判定はHER2/CEP17シグナル比(FISH値)を用い、境界域はIHC2+およびFISH値1.8-2.2と定義する。境界域症例に対しHER2遺伝子増幅測定を行った。
【結果と考察】IHC2+・FISH値1.8-2.2の境界域は5例(2.2%)に認められた。「HER2検査ガイド(第3版)」ではIHC2+はFISH値2.0以上でHER2陽性とされ、5例中3例がHER2陽性と判定された。一方「ASCO/CAP(2013)HER2検査ガイドライン」ではHER2遺伝子増幅を認めた4例がHER2陽性と判定された。増加した1例はFISH値1.9、HER2遺伝子増幅数は6.8であった。「HER2検査ガイド(第3版)」は「ASCO/CAP(2007)HER2検査ガイドライン」を元に2009年に改定された際、新たにFISH法での境界域が設定された。これはFISH境界域中に偽陽性、偽陰性の割合が多いためである。「ASCO/CAP(2013)HER2検査ガイドライン」の改訂により、226例中1例にHER2偽陰性が認められた。
【結語】「ASCO/CAP(2013)HER2検査ガイドライン」のHER2遺伝子増幅数判定により、大幅な抗HER2療法の適応拡大は認められなかった。

キーワード

臓器別:乳腺

手法別:診断

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