演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第52回・2014年・横浜
 

リンパ節転移陽性乳癌におけるvascular invasionの重要性

演題番号 : O11-3

[筆頭演者]
藤井 孝明:1 
[共同演者]
矢島 玲奈:1、高田 考大:1、須藤 利永:1、森田 廣樹:1、堤 荘一:1、桑野 博行:1

1:群馬大学医学部病態総合外科外科学

 

リンパ節転移は乳癌の重要な予後因子である。リンパ節転移は、癌細胞の増殖、進展が宿主の免疫に勝っていることを反映していると考えられる。しかし、リンパ節転移は予後因子ではあるが、リンパ節転移により致命的になることはなく、あくまで腫瘍そのもののbiologyを反映しているにすぎない可能性があると考えられる。乳癌においては、リンパ節郭清の長期予後改善効果は否定的であり、リンパ節郭清はいかに省略するか検討する方向にすすんでいる。リンパ節転移を認めても予後良好である症例はしばしば経験され、予後決定に重要であるのは、リンパ行性の進展ではなく、血行性転移による重要臓器への遠隔転移であると考えられる。そこで今回、リンパ転移陽性乳癌における、血行性の転移を反映すると考えられるvascular invasionの重要性について検討を行った。乳癌手術症例で組織学的にリンパ節転移陽性を確認した134例を対象とした。遠隔転移による再発は19例に認められた。年齢、腫瘍径、組織型、ER、PgR、HER2発現、脈管浸潤(lymphatic invasion/vascular invasion)、Ki-67 labeling indexと再発との関連について検討した。リンパ節転移陽性例において、単変量解析では、再発と関連するのはvascular invasionのみであり、多変量解析でもvascular invasionのみが独立した再発危険因子であった。vascular invasionが認められた68例中、再発は15例(22.1%)に認められたが、vascular invasionが認められなかった66例中、再発は4例(6.1%)のみであった。生存曲線では明らかな有意差は認められなかったが、今回の検討より、リンパ節転移陽性例においてvascular invasionが遠隔転移、予後に関連する可能性があると考えられ、逆にリンパ節転移陽性例でもvascular invasion陰性例では再発のリスクが低い可能性があり、予後良好な症例を選別し得る可能性が示唆された。

キーワード

臓器別:乳腺

手法別:バイオマーカー

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