演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第52回・2014年・横浜
 

転移・再発乳癌に対するBevacizumab併用化学療法効果予測因子の検討

演題番号 : O11-2

[筆頭演者]
青松 直撥:1 
[共同演者]
柏木 伸一郎:1、浅野 有香:1、倉田 研人:1、森崎 珠実:1、野田 論:1、高島 勉:1、川尻 成美:1、小野田 尚佳:1、平川 弘聖:1

1:大阪市立大学大学院腫瘍外科

 

【背景】Bevacizumab(以下Bev)は血管内皮増殖因子を標的とするヒト化抗Vascular endothelial growth factor(以下,VEGF)モノクローナル抗体であり,パクリタキセル(PTX)と併用することで無増悪生存期間を延長することが示され,2011年9月に日本でも承認を得た.一方で米国では全生存期間の延長が示せなかったことにより,承認が取り消された.しかしながら,PTX+BV併用化学療法は,国内第Ⅱ相JO19901試験において,約70%もの高い奏効率を示し,Life-threateningな手術不能・転移再発乳癌症例において,Life threateningな状況からの離脱が期待できる.あらかじめ治療効果が乏しい症例が予測できれば,不要なBev投与を回避でき,費用対効果を上げることができる.そこで今回,Bev併用化学療法に対する効果予測因子を検討したので報告する.
【対象と方法】2011年9月から2012年8月にBev併用化学療法を施行した転移・再発乳癌15例に対して一次治療に限らず,1サイクル以上行った症例を対象とした.Bev投与前生検標本のVEGF-AおよびVEGF receptor(以下VEGFR)1,2, phospho- VEGF receptor (以下pVEGFR)-1,2を免疫組織化学染色し,奏効率および予後との関連を検討した.
【結果】
年齢は31-75歳(中央値57歳),Intrinsic subtypeはluminal A/ luminal B/ HER2 type/ triple negative=10/1/0/4例であった.前治療歴は中央値が3(0-9)レジメン,治療効果はCR/PR/SD/PDが0/9/4/2であり,全奏効率は60%(9/15)であった.15例のうち,VEGF-A発現は,陽性10例,陰性5例であった.VEGF-A陽性10例中奏功例は8例(奏効率80%)であり,VEGF-A陰性5例中奏功例は1例(奏効率20%)であった.VEGF-A陰性例の非奏効率は80%(4/5)であり,VEGF-A陽性例の非奏効率20%(2/10)に比べ有意に(p=0.047)高率であった.VEGFR-1,2,p-VEGFR-1,2は,明らかな有意差は認めなかった.無病生存期間・全生存期間にはいずれも明らかな有意差は認めなかった.
【結論】
VEGF-A発現は,Bev併用化学療法の効果予測因子となりえることが示唆された.VEGF-A陰性例は,Bev併用化学療法に治療効果が乏しく,不要なBev投与を避けることが出来る可能性が示唆される.今後,症例数をさらに重ね検討を続けていきたい.

キーワード

臓器別:乳腺

手法別:トランスレーショナルリサーチ

前へ戻る