演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第52回・2014年・横浜
 

乳癌患者における血中VEGF濃度の予後における検討

演題番号 : O11-1

[筆頭演者]
権田 憲士:1 
[共同演者]
柴田 昌彦:1,2,3、大竹 徹:3、松本 佳子:3、松本 清香:3、渡辺 久美子:3、志村 龍男:2,3、櫻井 健一:4、竹之下 誠一:3

1:埼玉医科大学国際医療センタ-消化器病センター消化器腫瘍科、2:福島県立医科大学医学部腫瘍生体エレクトロニクス講座、3:福島県立医科大学医学部器官制御外科学講座、4:日本大学医学部附属板橋病院外科

 

これまで我々は乳癌患者の血中血管内皮細胞増殖因子(VEGF)濃度を測定し検討してきた。VEGF血中濃度は健常成人に比して乳癌患者全体で高値を示し、StageIV症例ではその他の症例に比べて有意に高値であった。細胞性免疫能を活性化するIL-12産生能と有意に負の相関を示し、細胞性免疫能を不活化するIL-10産生能とは有意に正の相関を示した。また、栄養状態の指標であるAlb、RBP、PA、Tf濃度と有意に負の相関を示した。VEGFによって活性化された免疫抑制細胞がIL-12を産生する樹状細胞の活性化を阻害している可能性と癌患者の栄養障害や癌悪液質の誘導にも関わると発表してきた。今回これらの性質を有するVEGFが乳癌患者の予後と如何なる関連を示すかについて検討した。対象は健常成人女性15人と術前未治療乳癌患者81例である。その内訳はStageⅠ13例、StageⅡ34例、StageⅢ8例、StageⅣ26例であった。末梢血を採取し分離された血清中のVEGF濃度をELISAで測定した。予後の検討にはKaplan-Meier 法を用いVEGF値を2群に分類した。500pg/ml値をcutoff値とした。VEGF高値症例群においてStageIV症例のOverall Survival(OS)はStage I, II, III, 症例に比して有意に不良(p<0.003)であったのに対し、Disease Free Survival(DFS)では差がなかった。また、VEGF低値症例群ではOSに差がなかった。StageⅣ症例乳癌患者のVEGF高値症例群においてOSはVEGF低値症例群に比して有意に不良(p<0.003)であった。DFSでは差がなかった。このように乳癌患者においてVEGF濃度は乳癌患者で上昇し、高度進行癌でさらに高値であった。さらに、VEGF高値症例は予後が不良であり、高度に進行した症例で顕著であると考えられた。

キーワード

臓器別:乳腺

手法別:バイオマーカー

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