演題抄録

制吐薬適正使用ガイドライン改訂のためのコンセンサスミーティング

開催概要
開催回
第52回・2014年・横浜
 

2010年初版以降の新しいエビデンス

演題番号 : CM2-3

[筆頭演者]
相羽 惠介:1 

1:東京慈恵会医科大学腫瘍・血液内科

 

本学会から「制吐薬適正使用ガイドライン」第1版が2010年5月に発行された。既存の海外のガイドライン(GL)を参考としつつも、わが国における実地臨床に即した診療方針について委員会の合意形成を経て公表に至った。爾来化学療法に伴う悪心・嘔吐(CINV)に対する標準的な制吐治療は広く普及し、その有用性は実態調査研究でも示されている。しかしガイドライン発刊から3年が経過し、新たなエビデンスも創出されており、全面改定版が2015年には計画されている。この間、海外でもGLの再検討が進み、NCCN Clinical Practice Guidelines in Oncology Antiemesis 2009は同2013へ、MASCC-Antiemetic Guidelines 2008はMASCC/ESMO-Antiemetic Guidelines 2011へ、ASCO Guideline for Antiemetics in Oncology:Update2006はAntiemetics:ASCO clinical practice guideline update2011へと改訂された。特にASCO2011では、乳癌に対するAC/EC療法が中等度催吐性(MEC)から高度催吐性(HEC)へと変更された。そしてMASCC/ESMO 2011とともに、MECに対しては、パロノセトロンとデキサメタゾンとの2剤併用が推奨された。その他MECにおける遅発性嘔吐に対するパロノセトロンの単独使用はオプションとの考え方も示された。新薬では、アプレピタントの水溶性を向上させた静注製剤であるホスアプレピタントが本邦でも臨床導入された。2013年からは12歳以上の小児に対しても保険適応が得られた。本剤をオンダンセトロン、デキサメタゾンと併用する場合、アプレピタントとの同等性が示されており、高度催吐性リスク抗がん薬療法を施行する際に5-HT3受容体拮抗薬、デキサメタゾンとの併用(150㎎、第一日目、単回投与)が推奨される。HECに対するパロノセトロン、デキサメタゾン、アプレピタント併用群とグラニセトロン、デキサメタゾン、アプレピタント併用群を比較した第Ⅲ相試験では、副次評価項目ながら前者が遅発性CINVを有意に抑制した。本シンポジウムで、各GLと新たなエビデンスを俯瞰する。

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