演題抄録

制吐薬適正使用ガイドライン改訂のためのコンセンサスミーティング

開催概要
開催回
第52回・2014年・横浜
 

経口抗がん薬(CQ3)、シスプラチン分割(CQ10.)の制吐療法、5-HT3 受容体拮抗薬(CQ6)

演題番号 : CM2-1-2

[筆頭演者]
朴 成和:1 

1:聖マリアンナ医科大学臨床腫瘍学講座

 

CQ3:本邦ではフッ化ピリミジンを中心とした経口抗がん剤が広く用いられ、特に近年、多くの分子標的薬の経口剤が臨床導入されたが、これらの薬剤の多くは軽度から最小度の制吐リスクに分類されている。軽度リスクの薬剤に対してMASCCのガイドラインでは少量のステロイド、NCCNではメトクロプラミド、プロクロルペラジン、ハロペリドールなどの連日投与が勧められているが、これらの経口抗がん薬に対する制吐薬の比較試験がなく、信頼度は低い。上記薬剤以外にも食事の工夫やカウンセリングなどの支持療法も実施し、コントロール不良の際には、エビデンスの基となった臨床試験のプロトコールを参考にし、休薬・減量を検討することが重要である。多くの場合には、Grade 2 の悪心・嘔吐が発現した場合には支持療法を行うか休薬し、支持療法によってコントロールできない場合には投与量を1レベル減量する。さらには Grade3 の悪心・嘔吐が発現した場合にも投与量を1レベル減量することが一般的である。
CQ6:本邦では7種類の 5-HT3受容体拮抗薬が承認されており、高度・中等度催吐性の化学療法では5-HT3受容体拮抗薬必須であるが、中等度リスクの抗がん薬に対しては、メタアナリシスおよび本邦での比較試験の結果から多くの海外のガイドラインではパロノセトロンが推奨されている。本邦において、高度リスクの抗がん薬については、シスプラチンを含む化学療法施行時にアプレピタント併用下で、グラニセトロンとパロノセトロンの比較試験が行われ、パロノセトロンの有用性を示唆する結果が発表されたが、ガイドラインの解説に取り上げるためには、論文化された少なくとも2つ以上の同じ結果のエビデンスが必要と考えられ、注釈として記述するにとどめる。
CQ10:シスプラチン分割投与の制吐療法としては、ASCO ガイドライン2011、MASCC ガイドライン 2011 では、シスプラチンは用量に関係なく高度リスクに分類されている。一方、NCCN ガイドライン2013 では、高用量シスプラチン(≧ 50 mg/m2)は高度リスクに分類されるが、低用量シスプラチン(< 50 mg/m2)は中等度リスクに分類される。本ガイドラインでは、シスプラチン分割投与時を高度リスクに分類することとしたが、NK1受容体拮抗薬のエビデンスがあるのは,シスプラチン≧ 70 mg/m2 の場合であり、低用量シスプラチンのエビデンスレベルは検証されていない。

前へ戻る