演題抄録

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開催概要
開催回
第54回・2016年・横浜
 

当院における胃がんに対する分子標的薬使用の現状

演題番号 : WS104-5

[筆頭演者]
小林 由夏:1 
[共同演者]
杉谷 想一:1、木村 成宏:1、罇 陽介:1、高野 明人:1、飯利 孝雄:1

1:医療法人立川メディカルセンター立川綜合病院・消化器内科

 

【はじめに】切除不能胃癌に対して、2011年にトラスツズマブ、2015年にラムシルマブなどの分子標的治療薬が保険適応となり、治療成績の向上が期待されている。【対象と方法】2011年1月から2015年12月に当院で化学療法を導入した切除不能進行再発胃がん83例について、化学療法の内容、分子標的治療薬の使用状況と有害事象の発現について検討した。【結果】男性63例、女性20例、平均年齢は70(37-85)歳、切除不能症例59例、術後再発症例24例、観察期間の中央値は280日間であった。83例中扁平上皮癌の2例を除く81例中、HER2陽性は16例(19.8%)であった。一次化学療法のレジメンはフッ化ピリミジン+プラチナが58例、フッ化ピリミジン+タキサンが7例、フッ化ピリミジン単剤が18例であった。HER2陽性16例中15例にトラスツズマブを使用し、最良効果判定はPR9例SD4例 PD2例で奏効率60%、病勢安定化率86.7%であり、全体の一次治療奏効率30.1%,病勢安定化率54.2%よりも良好であった。一次化学療法後根治切除術を行った10例を除く73例中、二次治療を導入した症例は31例(42.5%)であった。二次化学療法の併用分子標的治療薬としてラムシルマブは4例で最良効果判定はSD1例(25%)判定不能3例、トラスツズマブが6例で最良効果判定はSD3例(50%)PD3例であった。トラスツズマブは使用例でinfusion reactionを経験した症例はなく、定期心エコー検査での心機能低下例はみられなかった。ラムシルマブ使用例4例中2例でGrade3のDVT,蛋白尿を認めた。【考察】現在ガイドラインでは切除不能再発初症例に対する一次治療としてS-1を中心とした5FU+CDDP療法、HER2陽性例ではトラスツズマブの併用が推奨されている。当院でもHER2発現に関しては93.9%が確認されており、HER2陽性例に一次治療でトラスツズマブを併用する意識は高かった。二次治療でのトラスツズマブ継続使用の有用性はまだ不明であり、今後ラムシルマブが推奨治療になると考えられる。当院でのラムシルマブ導入例は少ないがGrade3の有害事象が発現しており、治療中の管理には血圧、検尿D-ダイマーの定期検査を行うなどの工夫が必要だと考える。【結語】切除不能胃がんに対してはHER2発現を確認し、最適なラインで最適な分子標的薬併用治療を導入、有害事象を管理することが重要である。

キーワード

臓器別:胃・十二指腸

手法別:分子標的治療

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