演題抄録

ミニシンポジウム

開催概要
開催回
第54回・2016年・横浜
 

Stage Ⅳ大腸癌の予後不良因子と新しい細分類

演題番号 : MS56-3

[筆頭演者]
中山 祐次郎:1 
[共同演者]
天木 美里:1、河村 英恭:1、中野 大輔:1、山口 達郎:1、松本 寛:1、高橋 慶一:1

1:がん・感染症センター都立駒込病院・外科

 

(背景)大腸癌取扱規約第8版ではStage IV細分類はないが、実際には個々の症例で予後の差が存在する。(目的)予後不良因子を検討し、新しいStage IV大腸癌の細分類を提案する。(対象と方法)(検討1)2008年1月~2013年1月まで当院外科で原発巣切除を行った大腸癌Stage IV症例につき後方視的に解析した。
(検討2)期間 2000年1月~2012年12月に当科で初発大腸癌手術を施行し、その後再発した537例について後方視的に解析した。
(結果)(検討1)対象は170例で、年齢の中央値は66歳(29-86歳)、男:女=92 (54.1%): 78 (45.9%)だった。主病変の局在は結腸: 直腸=108 (63.5%):62 (36.5%)で遠隔転移臓器数 1個: 2個: 3個以上= 114: 37: 19だった。Kaplan-Meier曲線で検討するとMSTは984日だった。局在やステージ、組織型などの腫瘍因子と、ROC曲線でcut off値を決めた「年齢71歳以上/未満」「LN(リンパ節)転移個数6個未満/以上」で単変量解析を行うと「UICC Stage IVA/ B」「肺転移Grade」「遠隔臓器個数1個以下/2個以上」「p(腹膜播種)+/-」「pap or tub/ muc or por」「根治度CurB/ C」「BRAF wild/ mt」「年齢71歳以上/未満」「LN転移個数6個未満/以上」が有意差を示した、これらの項目で多変量解析を行うと、「p +/-」(HR(ハザード比)2.260、p=0.012、95%CI(信頼区間、以下同様) 1.196- 4.270)、「手術根治度CurB/ C」(HR 2.601、p=0.003、1.390- 4.868)、「BRAF wild/ mt」(HR 0.180、p<0.001、0.071- 0.451)、「LN転移個数6個未満/以上」(HR 1.823、p=0.022、1.090- 3.051)、「年齢71歳以上/未満」(HR 1.822、p=0.020、1.090- 3.023)が有意差を示し予後不良因子であった。この結果から新しい細分類を作成した。「年齢71歳以上」「LN転移6個以上」「腹膜播種あり」のうち1因子以下をStage IVa、2因子以上をStage IVbとし、「BRAF mt」はそれ単独でStage IVbとした。結果はStage IVa: IVb= 129: 32で、単変量解析で有意差を示した(p<0.001)。予後が極めて悪かったBRAF mtの22例を除外し再検討すると、Stage IVa (n=127)のMST 38ヶ月 (29-44)、IVb(n=21)のMST 20ヶ月(12-26)で有意差を認めた(p=0.0015)。
(検討2) 対象症例の537例で新細分類を適応すると、Stage IVa(n=482)はMST 70.3ヶ月(2109日) (1849-2443)で、IVb (n=55)はMST 29.7ヶ月(892) (702-1233)で有意差を認めた(p<0.001) 。
(結語)新細分類はStage IV大腸癌の予後をよく反映する可能性が示唆された。

キーワード

臓器別:大腸・小腸

手法別:診断

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