演題抄録

ミニシンポジウム

開催概要
開催回
第54回・2016年・横浜
 

Stage Ⅲ胃癌の治療前予測精度と予後からみた術前化療症例の選別

演題番号 : MS51-3

[筆頭演者]
會澤 雅樹:1 
[共同演者]
藪崎 裕:1、松木 淳:1、番場 竹生:1、野上 仁:1、丸山 聡:1、野村 達也:1、中川 悟:1、瀧井 康公:1、土屋 嘉昭:1

1:新潟県立がんセンター新潟病院・消化器外科

 

【目的】胃癌に対する術前補助化学療法(NAC)はpStage IIIで有効性が期待し得るが,術前のcStage III診断,NAC適応症例の選別は確立されていない。当科の手術症例における病期診断の精度及び術前病期と予後の相関について後方視的に検討した。【対象・方法】2009年から2012年に当科で切除を行った≧cT2胃癌症例で,NACを施行していない278例を対象とした。全例でMDCTが施行されており,個々の症例の描出リンパ節で最大のものを代表病変とし,長径≧10mmまたは短径≧8mmをcN(+),cT4N(+)をcStage IIIと定義した。症例をA群:cStage IB-II→pStage I-II,B群:cStage IB-II→pStage III,C群:cStage III→pStage I-II,D群cStage III→pStage III,E群pStage IVに分けてOSを比較した。【結果】壁深達度の治療前評価では,cT2,cT3,cT4がそれぞれ181例(65.1%),6例(2.2%),137例(32.7%)であり,病理組織学的所見ではpT1b,pT2,pT3,pT4がそれぞれ73例(26.3%),60例(21.6%),30例(10.8%),115例(41.4%)であった。治療前のpT4予測値は感度:59.1%,特異度:85.9%であった。リンパ節所見の治療前評価では,cN(-),cN(+)が179例(64.4%),99例(35.6%)であり,病理組織学的所見ではpN0,pN1,pN2,pN3がそれぞれ127例(45.7%),53例(19.1%),42例(15.1%),56例(20.1%)であった。治療前のリンパ節転移予測値は感度:47.7%,特異度:78.7%であった。病理組織学的所見の病期は,Stage I,Stage II,Stage III,Stage IVがそれぞれ96例(34.6%),78例(28.0%),85例(30.5%),19例(6.8%)で,pStage IIIの予測値は感度39.4%,特異度94.3%であった。分割した各群の症例数,5年生存率はそれぞれA群:164例,82.5%,B群:53例,67.5%,C群:10例,60.0%,D群:32例,48.8%,E群:19例,26.3%であった。【結論】cT2以深の胃癌において,画像所見に基づいた病期診断精度には限界があり,pStage III診断の特異度は高いが、感度は低かった。術前診断可能なpStage III症例は,術前に過小診断されたpStage III症例よりも予後不良であり,cStage IIIをNACの適応とすることは妥当と考えられた。

キーワード

臓器別:胃・十二指腸

手法別:診断

前へ戻る