演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

癌関連遺伝子エクソームパネルによる肺癌の解析

演題番号 : O44-5

[筆頭演者]
飯笹 俊彦:1 
[共同演者]
横井 左奈:1、守屋 康充:1、丸 喜明:1、大平 美紀:1、影山 肇:1、中村 友紀:1、近藤 仁美:1、夏 恩迪:1、新行内 雅斗:1、板倉 明司:1、伊丹 真紀子:1、吉野 一郎:2、永瀬 浩喜:1

1:千葉県がんセンター 、2:千葉大学大学院医学研究院

 

[背景] 肺癌は固形腫瘍の中では早くから分子標的薬治療の実施されてきた癌のひとつである。しかし、全病期の予後は依然として良好とは言えず、罹患数の多さから、最も死亡率の高い癌となっている。肺癌の約半数の症例では、EGFR、ALK、KRASなど癌に関連したシグナル伝達系の異常が見つかるが、残りの半数は未だ責任遺伝子が同定できていない。責任遺伝子が同定された症例でも、チロシンリン酸化酵素阻害薬に対する耐性克服が課題となっており、シグナル伝達の側副路の存在が示唆されている。[目的] 肺癌治療の標的候補となるような新たな責任遺伝子を探索する。[対象] 当院にて治療を行った肺癌症例であり、凍結標本もしくはホルマリン固定パラフィン包埋標本(FFPE)の腫瘍部と非腫瘍部検体を用いた。[方法] 検体からゲノムDNAを抽出した後、Lifetechnology社Comprehensive Cancer Panelを用いた超マルチプレックスPCRにより癌に関連した409遺伝子の全エクソン領域を敷石状に増幅してライブラリーを作成し、Ion Trent Proton次世代シークエンサーによってゲノム配列を解読した。[結果] 予備的検討では、凍結標本由来のDNAを用いた場合は、平均95.4%以上の領域が解析可能であった。FFPE由来のDNAでは、解読可能であった領域は全体を平均して91.1%であったが、変異のホットスポットに限ると95%以上の領域で解読可能であった。[考察] FFPE検体であっても、組織の固定方法や、ブロックの保存状況、病理所見など、良好なライブラリー作成に必要な条件を検討すれば、解析可能であると思われた。本法でのゲノム解析結果と臨床経過とを対比することにより、治療反応性や予後の指標になる新たな遺伝子変異が同定できることが期待される。

キーワード

臓器別:肺・縦隔・胸膜

手法別:基礎腫瘍学

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