演題抄録

一般演題 (示説)

開催概要
開催回
第54回・2016年・横浜
 

前立腺癌に対する局所放射線治療による直腸障害に影響を及ぼす因子の検討

演題番号 : P56-5

[筆頭演者]
北本 佳住:1 
[共同演者]
永島 潤:1、伍賀 友紀:1、上原 宏:1、井上 雅晴:2、濱野 達也:2

1:独立行政法人国立病院機構高崎総合医療センター・放射線治療センター、2:独立行政法人国立病院機構高崎総合医療センター・泌尿器科

 

【背景】前立腺癌に対する放射線治療では,その再現性を保つために,様々な工夫がされている.
【目的】前立腺局所放射線治療症例において,直腸障害に影響を及ぼす因子を検討する.
【対象】2013年1月から2014年12月までに放射線治療を施行した93例を対象とした.年齢は54-86歳(中央値72歳).観察期間の中央値は26.7か月であった.
【治療】排尿及び排便排ガスを済ませ,飲水をし,30分間待機することを標準的な前処置とした.CTVは前立腺±精嚢とし,マージンをつけてPTVとした.直腸はPTV上縁より1㎝頭側から肛門までとした.放射線治療は,通常分割照射でPTVのD95処方で投与した.骨照合した後に,CBCTの画像と治療計画画像を用いてCTVを合わせるようにした.平均投与線量は75.8 Gyであった.
【方法】治療計画より直腸パラメータとして最大線量 (Max),平均線量 (Mean), 70 Gy以上が当たる直腸の相対容積(%V70),%V60,%V50,%V40,%V30,%V20,%V10,%V5を求めた.また,骨照合からCTVを合わせるときの3次元的な移動距離の平均値を算出した.更に,前処置において,治療前に仕切り直しが必要なかった割合を算出した.これらを,観察期間中に直腸出血を経験しなかった群(出血なし群)と直腸出血を経験した群(出血群)に分けて比較した.平均値の比較はt検定あるいはWelch法を用いた.
【結果】出血なし群は72例(77.4 %),出血群は21例(22.6 %)であった.出血の程度はCTCAE v4.0で評価したとき,Grade1が20例(21.6 %),Grade2が1例(1.1 %),Grade3以上は認められなかった.直腸パラメータは出血なし群と出血群で,Max: 78.8 Gyと78.9 Gy,Mean: 29.5 Gyと31.3 Gy,%V70: 8.5と11.7,%V60: 15.8と19.4,%V50: 22.4と26.2,%V40: 30.0と33.9,%V30: 40.1と43.1,%V20: 53.1と54.4,%V10: 74.2と73.9,%V5: 90.5と90.6であった.骨照合後のCTVへの移動距離は出血なし群で0.4 ㎝,出血群で0.4 ㎝であった.直腸前処置の成功率は出血なし群で80.1 %,出血群で82.1 %であった.統計学的に有意差が認められたものは,%V70,%V60,%V50,%V40のみであった.
【結語】前立腺癌に対するIMRTによる直腸障害に影響を与える因子は,治療計画時の直腸パラメータであった.再現性よく治療できていると評価できるが,観察期間が短いことや重篤な直腸出血が少ないことなどの問題もあり,更なる検討が必要である.

キーワード

臓器別:前立腺・男性生殖器

手法別:放射線治療

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