一般演題 (示説)
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前立腺癌に対する放射線外照射療法後に発症した膀胱癌の検討 演題番号 : P56-2
1:愛知県がんセンター中央病院・研究所・泌尿器
【目的】 前立腺癌に対する放射線外照射療法施行後に発症した膀胱癌の検討を行った。
【方法】2001-2010年に前立腺癌に対する放射線外照射療法(EBRT)を施行した417例のうち、膀胱癌を発症した13例を検討した。 【結果】2001-2006年の放射線照射は3次元原体照射(Three-dimensional conformal radiation therapy:3D-CRT)、それ以降は強度変調放射線治療(Intensity Modulated Radiation Therapy:IMRT)で施行した。照射線量の中央値は3D-CRTで74Gy/37fr、IMRTで78Gy/39frであった。3D-CRTで施行された201例のうち5例(2.5%)、IMRTで施行された216例のうち8例(3.7%)で膀胱癌を認めた。発症契機は肉眼的血尿が7例、顕微鏡的血尿が7例。EBRT後から膀胱癌発症の期間は平均65ヶ月(31-95ヶ月)であった。尿細胞診の結果は9例(69.2%)でClass3以上であった。すべて移行上皮癌で、Grade1が4例(30.8%)、Grade2が4例(30.8%)、Grade3を含むものが5例(38.5%)であった。腫瘍の部位は三角部から膀胱頚部が6例、12例でTURBT、1例に膀胱全摘除術が施行された。pT StageはpTaが7例、pTa+isが2例、pT2が1例、pT4bが1例であった。 【考察】放射線外照射後、5年以上経過した群で、3.1%に膀胱癌が認められた。3D-CRT群と比較し、IMRT施行群でも同程度以上の膀胱癌発症が認められた。前立腺部への放射線照射後の膀胱癌はHigh Gradeが多いことが報告されているが、当院の結果もGrade3を含むものが38.5%であった。肉眼的血尿を認めない症例が50%あり、顕微鏡的血尿が認められた場合であっても、積極的に精査する必要があると思われた。 |
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