演題抄録

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開催概要
開催回
第54回・2016年・横浜
 

殺細胞性抗癌剤治療が困難で、panitumumab単剤が奏効したRAS野生型進行大腸癌の2例

演題番号 : WS51-6

[筆頭演者]
小川 浩平:1 
[共同演者]
塚田 健一郎:1、高嶋 祐介:1、中嶋 和仙:1、本藤 有智:1、澤崎 拓郎:1、國谷 等:1、西田 泰之:1、平井 信行:1、寺田 光宏:1

1:富山県厚生農業協同組合連合会高岡病院・消化器内科

 

【背景】RAS野生型の切除不能進行大腸癌に対する化学療法において、抗EGFR抗体薬の単剤治療は、5-FU系薬剤、irinotecan、oxaliplatinに不応となった症例に対して実施される場合が多い。今回、殺細胞性抗癌剤投与が困難な状況で、panitumumab単剤治療が奏効した2例を経験したので報告する。
【症例1】64歳、男性。横行結腸癌に対して切除施行。pStage II(脈管侵襲あり)であったが、合併症としてC型肝硬変、肝性脳症があり、本人希望もあって補助化学療法せずに経過観察となった。2年後に肝転移再発と診断。一次治療としてcapecitabine単剤治療が施行された。PDとなった時点で、T-Bil 2.3mg/dl、NH3 90μg/dl、Child-Pugh分類Bであり、殺細胞性抗癌剤治療は困難と判断した。KRAS野生型を確認しpanitumumab単剤治療を開始したところ、腫瘍マーカーの低下(CEA 560→56.8ng/ml)、肝転移の縮小(縮小率31%)を認めた。有害事象としてはG3の低Mg血症、G3の皮膚障害などを認めたが、1年2ヵ月の無増悪生存期間(PFS)が得られた。
【症例2】52歳、女性。S状結腸癌、肝転移cStage Ⅳに対して、原発巣切除施行。その後一次治療としてcapeOX+bevacizumab併用療法が施行された。経過中Plt低下を頻回に認め、減量・延期が余儀なくされた。PDとなった時点で、Plt 69,000/mm3であり、irinotecan baseの治療は困難と判断した。KRAS野生型を確認しpanitumumab単剤治療を開始したところ、腫瘍マーカーの低下(CEA 199.5→16.8ng/ml)、肝転移の縮小を認めた(縮小率36%)。有害事象としてはG2の皮膚障害などを認めたが、6ヵ月のPFSが得られた。
【結語】殺細胞性抗癌剤投与が困難な、いわゆる臨床試験の適格規準を満たさないようなRAS野生型の切除不能進行大腸癌においては、抗EGFR抗体薬の単剤治療が有効な治療法と成り得ることが推測された。

キーワード

臓器別:大腸・小腸

手法別:分子標的治療

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